リアルタイム在庫管理をする必要性とメリット・デメリット

システム上で在庫を確認できず、受注から出荷検品までの確認作業に時間がかかっていませんか?
製品別原料紐づけ、製品出荷ロット管理はシステムにて正確に把握できるようになり、工場別、倉庫別にリアルタイムな在庫情報を把握が可能です。
また、入出荷業務をHHT(ハンディターミナル)で運用することで、ミスの防止と業務効率化を実現します。

なぜリアルタイムに実在庫を把握しなければならないのか

食品業では、受注した商品を当日中に出荷することが多いため、正確な在庫把握が必要になります。
また、賞味期限別での管理も必要となり、出荷時にロット逆転が許されないシビアな在庫管理が求められます。
受注を受けたにも関わらず欠品が発生したり、ロット逆転を起こしてしまうと取引先からの信用を失い、その後の取引きや会社の業績に大きな影響を及ぼすためリアルタイムな在庫把握が重要です。

こちらのページでは在庫把握に関する課題と、その解決方法について解説します。

実在庫と理論在庫(帳簿在庫)の違い

実在庫は、倉庫に実際に保管されている材料や製品の在庫のことです。
それに対し理論在庫は、仕入伝票や出荷伝票を元にして記録された帳簿上の在庫のことをいいます。
本来であれば、実在庫と理論在庫は同数になるはずですが、棚卸を実施すると少なからず差異が発生します。

理論在庫(帳簿在庫)と実在庫が合わなくなる理由

入出荷時の作業やデータ処理が正しく行われていれば、差異が発生することはないのですが、なぜ発生するのでしょうか。
様々な要因がありますが、その例をいくつか見てみましょう。

仕入れ先のミス

仕入先の出荷ミスで、入荷した数量が発注していた数量と異なっていた場合や別の商品が納品されしまうことがあります。それに気付かずに処理してしまうことで実在庫とと理論在庫に差異が発生します。

入荷作業時のミス

入荷時の検品で数え間違えてしまうと、そこで差異が生じます。
また、伝票などに手書きで入荷数を記録している場合は、そこでの記載ミスにより在庫数の差異が発生する可能性があります。

保管中のミス

倉庫内に保管しているときにも、紛失や盗難によって実在庫が減ることがあります。
それ以外にも、保管スペースが確保できずに一時的に他の場所に保管したり、周囲の在庫品を移動させたりして本来の場所に戻さずにいた場合、実在庫として存在しているはずなのに保管スペースに物がないといったことが起きます。

倉庫内業務が属人化していて、担当者のみが在庫品の場所を把握しているという課題を抱えているケースもよくあります。
属人化を避けるためにも、帳簿(システム)上の情報と、現場の整合性を取った管理をしていくことが重要です。

出荷作業時のミス

出荷作業時にも在庫数に差異が生じます。
誤出荷によって実在庫にも影響が出る場合や、帳簿やシステムへの入力ミスです。

在庫破棄時の処理漏れ

食品業においては、賞味期限やロット別で管理されることが多いため、賞味期限などを考慮しない物と比べると管理が複雑になります。
在庫している原材料や製品の賞味期限が切れたものについては廃棄されますが、廃棄した際に帳簿やシステムへの反映が漏れることで差異が生じます。

適切に実在庫を把握するには

適切に実在庫を把握するためには、理論在庫との差をなくし、リアルタイムで一致させる仕組み作りが必要です。
リアルタイムで一致させていく仕組みとしては下記のようなものが挙げられます。

  1. 検品作業などのデジタル化により手入力をなくす
  2. 在庫管理システムの導入

1.検品作業などのデジタル化により手入力をなくす

入荷・出荷情報を手書きで管理し、帳簿・システムに手入力をするとそれぞれにミスが発生する可能性があります。
また、帳簿・システムに数量が反映されるまでにタイムラグが発生してしまいます。
これらの課題を解決するにはバーコードリーダーやタブレットの利用が有効です。
入力ミスを防止し、内容がリアルタイムに反映され、入力作業も削減されるため事務作業の効率化にも繋がります。

■関連情報■
ハンディターミナル・バーコードで在庫管理をしたい

2.在庫管理システムの導入

在庫管理を手作業で行い、在庫数を帳簿やExcelなどで管理している場合は作業のデジタル化と併せてシステム化すると大きな効果が見込めます。
入出荷される際にはバーコードリーダーを使ってデータを入力し、在庫数を自動的に更新します。
システム上では商品の在庫数や場所、状態などを追跡し常に最新の在庫情報を把握することが可能です。
販売管理システムに在庫管理機能が含まれていることもありますが、引当機能や預かり在庫機能など、自社の業務にあった機能が搭載されているかを確認しましょう。


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在庫管理システムとは

在庫管理システムは、物流倉庫や製造工場、実店舗などで、製品や原材料などの入出庫状況やどこにいくつあるかをリアルタイムで把握するためのツールです。さらに受注や売上情報と連携させることで製品などの流れを分析し、適切なタイミングでの発注や、製造の調整、在庫の過不足をなくすことも大きな役割です。

製品やロットごとにバーコードを貼り付けると、入庫の際にハンディターミナルで読み取ることで、どの商品がどこに保管されているかがすぐにわかります。手作業で情報を入力せずに、場所や個数、出庫の時間、どこに出荷されたかまで一連の流れが把握できます。

従来は、人の手で行われていた入出庫や在庫数の確認ですが、どれだけ注意してもヒューマンエラーをなくすのは至難の業です。
しかし、ハンディターミナルを起点として在庫管理システムで管理するとその様なミスが起こらないだけでなく、在庫の流れを分析、可視化し、他システムとも連携することで経営改善に役立てることも可能です。

在庫管理システムに求められる機能

在庫管理システムは業界や業種によって求められる機能が少しずつ異なります。
ここでは、基本的な機能と、食品業において必要な機能をいくつかご紹介します。

入庫・出庫の管理機能

原材料や製品がいつ、どこから、いくつ納品されて、いくつ出荷したのかという基本機能です。
取扱い品目が増えると管理も煩雑になっていきます。
さらに、入荷予定や出荷予定も踏まえて管理していくためには、ハンディターミナルやタブレットとバーコード等を利用してなるべく人の手作業に頼らない仕組みづくりも必要です。

検品機能

入出荷時に伝票と実際の製品の品目・数量に間違いがないか確認する検品作業は、手作業で行うと時間がかかりミスも起こりやすい作業です。
在庫管理システムの検品機能は、主にハンディターミナルなどの端末と連携して活用します。ハンディターミナルで商品のバーコードを読み取るだけで、品目・数量が合っているかをシステム側で確認し、伝票の内容と一致しない場合は再度チェックするように指示が出るようになっています。
作業者はバーコードを読み取るという単純作業を続けるだけで済むため、時間の節約・ミスの削減という検品作業の効率化を図ることができます。

棚卸機能

実在庫と理論在庫は定期的に合っているかを確認するための棚卸が重要です。
日頃の在庫管理が上手くいっているかも確認します。
一斉棚卸や循環棚卸など、自社にあった方法を選択しましょう。

在庫分析機能

過去の入出荷データや現在の在庫データを基にさまざまな分析を行うことができます。
売れ筋商品や季節商品、売れない商品などの出荷数や販売管理システムの受注状況などと合わせて分析することで、製造や仕入を無駄なく計画的に行うことができるようになります。

賞味期限・ロット別管理機能

食品には賞味期限があるため、同じ製品であっても在庫管理を行う上で賞味期限・ロット別の管理は欠かせない要素の一つとなります。
得意先によっては前回出荷したもの以前に製造された製品の出荷(ロット逆転)は許されないことがあり、取引停止になることがあります。
見た目上は同じ製品であり、手作業ではミスが起こりやすいのでシステムで管理していくのが良いでしょう。

有効在庫の把握機能

倉庫内の原料や製品には出荷予定のものが含まれていたり、在庫として今はなくてもこれから入荷される予定のものがあったりするため、実際に出荷できる製品はいくつあるのかを把握することが難しい場合があります。
実際にいくつ出荷することができるのか、発注する必要があるのか否かといった判断をするための機能として、出荷予定や入荷予定を加味した有効在庫を把握できる機能が効果的です。

預かり在庫の管理機能

得意先に販売した製品で、そのまま納品せずに自社の倉庫で保管する預かり在庫についても管理できた方が良いでしょう。
得意先からの在庫問合せや、出荷指示に速やかに対応するためにも必要な機能です。

リアルタイム在庫管理のメリット

リアルタイムで在庫を管理することで、得意先への対応が迅速にできるようになり、製造・仕入の計画も立てやすくなります。
在庫管理に関する作業もデジタル化されるため、従業員の負荷軽減・業務効率化を両立することも可能です。

1. 過剰在庫・欠品の削減

リアルタイムで在庫状況が確認できるため、過剰発注や欠品リスクが軽減します。
過剰在庫による在庫の管理コスト削減や、欠品による機会損失の予防になるでしょう。

2. タイムラグのない情報をマーケティングに活かせる

リアルタイムな在庫状況の把握は、受注データなどと合わせることで市場の動きに近いデータとして利用することができます。
今後の販売計画やマーケティングに活かせる貴重なデータとなるでしょう。

3.倉庫内の業務効率化が図れる

入出荷による在庫の増減やその傾向が可視化されると、倉庫内での作業動線の見直しや作業の効率化をするための判断材料になります。
無駄なコストを削減し、業務効率化が実現できるでしょう。

4. ヒューマンエラーを防止できる

手作業で行う在庫管理は手書き・手入力によるミスや、見間違いによる出荷ミスなど様々なミスが起こります。
リアルタイムで在庫管理ができるシステムを利用することで、こういったミスを削減し、社内での連携もスムーズに行うことができるでしょう。

リアルタイム在庫管理のデメリット

いいことばかりに思えるリアルタイムな在庫管理ですが、実現するためにはシステム導入が必要となります。
このシステム導入に伴うデメリットとして、コストと時間がかかるというものがあります。

1. コストがかかる

在庫管理システムは導入時のコストと、保守などのランニングコストが発生します。また、社内のIT担当や管理者が必要になった場合はそれらの人的コストも必要になります。

しかし、業務効率化によるコスト削減や有用なデータ活用による売上向上が見込めるため、結果的には費用対効果が良くなります。
また、在庫管理のみの機能を持つシステムではなく、販売管理や生産管理機能などと統合されたパッケージシステムなどを導入することで、大きな相乗効果を得ることも可能です。

2. 運用に慣れるまで時間がかかる

システム導入によって、少なからず業務フローが変化します。新しいシステムや業務の流れを従業員に教育し、浸透させる時間が必要になります。
システム検討の際には、稼働するまでしっかりサポートしてくれる導入業者かどうかという点も検討材料にすると良いでしょう。

まとめ

在庫管理の方法は企業によって千差万別で、抱える課題も様々です。
食品業ならではの課題を解決するためには、食品業のサポート経験が豊富な導入業者にご相談してみてはいかがでしょうか。
システムを有効活用し、リアルタイムな在庫管理と情報の可視化をすることで課題を解決していくことができるでしょう。


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理論値と使用量(不良や廃棄)の差異を把握することでより正確な在庫がリアルタイムで把握できるようになりました。

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また、属人化が解消し、業務の効率化にもつながりました。

スーパーカクテルでできるリアルタイム在庫管理に有効な機能の一部

在庫状況のリアルタイム化・共有化

ロット別出荷履歴

  • 指定ロットの製品を、どこに出荷したかを、即検索、社内・外からの問合せに、迅速に対応。
  • ドリルダウン機能にて、詳細内容も確認。

在庫の適正化

  • 原料・包材・製品別に、2週間先の現在庫から受注・発注・製造・投入数を元に予定在庫数を算出、過剰・不足状況を確認。
  • 日別有効在庫一覧表では、商品明細単位に確認できます。

▲在庫状況のリアルタイム化・共有化

倉庫別・商品別在庫管理

▲ 倉庫別・商品別の在庫問合せ

倉庫別商品別在庫問合せ

  • リアルタイムに、倉庫の原料・製品情報を把握。
  • 入庫(投入・入荷)/出庫(払出・出荷)/棚卸調整・在庫数量

商品別倉庫別在庫問合せ

  • 原料・包材・製品別に、倉庫間情報を把握。原料などの横持ち状況を確認します。

ハンディターミナル(HHT)を利用してミス防止・入出荷業務を効率化

ハンディターミナル(HHT)の活用

  • 入出荷業務をHHTで運用することで、ミスの防止と業務効率化を実現します。
  • 無線ハンディ端末のディスプレイ上に刻々と変化する受注状況がリアルタイムに表示できます。
  • ハンディ端末から登録された注文・出荷実績はシステム上で素早く集計。

ハンディターミナル

▲ ハンディターミナル(HHT)の活用

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「販売」「生産」「原価」の業務単位で導入可能です。
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