食品業界では、従来の商慣習を踏襲しているために今でも紙媒体を介して受発注を行う事業者様が少なくありません。
非効率なFAX業務をやめたい、脱FAXをすすめたいとお悩みの事業者様も多いのではないでしょうか。
本記事では、FAXによる受注業務を効率化する方法や、そのメリットを整理しました。
また、ペーパーレス化による業務改善と環境負荷軽減を実現するソリューションについてご案内します。
FAXでの受注業務の課題とは
食品業界でにおいてもDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やペーパーレス化が進められている一方で、いまも多くの企業でFAXによる受発注が行われています。
FAX利用にはいくつかの課題があるため効率化したいと思っていても、FAX利用を止めることは取引先にも影響を及ぼすため、慎重に進める必要があります。
まずはよくあるFAX受注の課題をみてみましょう。
- 人為的ミスが発生しやすい
- コストがかかる
- 検索性が悪い
1.人為的ミスが発生しやすい
FAX受注による処理業務には、人為的なミスが発生しやすいポイントがいくつもあります。
例としては下記のようなものがあります。
- 届いた注文書の紛失
- 手書きで記載されていた場合、内容の読み間違いによる受注数や出荷日の誤認
- 納期返答などをFAXで返信する際の送信先間違い
いくら気を付けていてもゼロにすることが難しいのが人為的なミスです。
しかし、発注者・受注者の双方にとって重要なやりとりの中でミスを起こしてしまうことは信用を失うことに繋がりかねません。
2.コストがかかる
FAXを受信して、受注処理をする上では人的コストと設備コストがかかります。
- 人的コスト
手書きで送られてきたFAXの文字が読めない、通常とは異なる内容や注文数だった際には取引先に確認する必要が出てきます。
また、FAXでの受注件数が多いと、それを処理するための人員確保が必要となります。 - 設備コスト
日々の受注をFAXで受ける場合、紙、インク・トナー、通信費など継続してコストが発生します。
大量のFAXを受信している場合は、複数台の受信機器を用意する必要もあるため、その分コストが増加します。
3.検索性が悪い
紙に印刷されたFAX受注票はファイルなどに綴じて管理されます。
そのため過去の情報を探そうとすると、綴じられたファイルを見つけ、その中から書類を見つけ出さなければならくなります。
Excel等に転記して管理する方法もありますが、入力の手間がかかるため件数が多いと対応しきれなくなり、入力時に転記ミスが発生するリスクも発生します。
また、ファイルが増えてくるとそれらを保管する場所の確保にも頭を悩ませることになるでしょう。
FAX受注業務を効率化する方法
多くの企業で利用されているFAXですが、コストやリスク、効率性という点で解決すべき課題があることがわかりました。
これらを解決し、業務を効率化する方法について3つご紹介します。
- FAXを電子化する(FAX-OCR)システムの導入
- FAXをPC受信する仕組みの構築
- FAX以外の手段での受注方法
1.FAXを電子化する(FAX-OCR)システムの導入
FAX-OCR(Optical Character Recognition/Reader)は画像データの中から文字を認識し、テキストデータとすることが可能です。
デジタル化することで、検索性が向上し、保管や管理もしやすくなります。
デジタル化した受注情報を受注管理をしているシステムに連携することで、入力作業の手間を省くことも可能になります。
FAX-OCRの注意点としては、読み取り精度は100%にはなりません。特にFAXの文字がかすれていたり、手書き文字の場合は精度が低くなるため、人の目による確認が必要になります。
【帳票データ化OCRソフトAnyForm OCR】
「AnyForm OCR」は自社で作成した固定帳票だけでなく、取引先システムから出力された様々なレイアウトの帳票にもご活用することが可能なOCRソフトです。
従来OCRに比べ、汎用性が高くデータ入力業務の生産性を向上させることができます。
2.FAXをPC受信する仕組みの構築
FAXをPC・サーバーで受信する方法もあります。
受信したFAXを処理担当者の担当先別に振り分けることができる機能を持つものもあるため、溜まったFAXを担当者ごとに振り分ける必要がなくなります。
受注データとFAXを紐付けて管理するなど、検索性が向上し、保管・管理もしやすくなります。
3.FAXに変わる手段での受注方法を構築
FAXの場合、手書きで書かれた内容の判読や振り分けの手間などいくつか課題があります。
こうした課題を解決すべく、FAX以外で受注を受ける方法を検討するのも一つの手です。
業界VANの利用やEOS・EDI、自社ECサイトの構築ができれば、受注だけでなく、納期回答や請求データのやりとりなども可能になります。
しかし、導入コストや得意先からの理解を得る必要があるなど、解決すべき課題があります。
近年では、LINEを使った受発注システムも出てきており、スマートフォンで発注ができる手軽さから利用者が増えています。
LINEでオススメ商材などの情報発信もでき、売上拡大にも繋げることができるツールとして注目されています。
また、メールで受注する方法もあります。メールに本文に記載された注文内容や、添付された注文書をの処理を自動化させて基幹システムに連携させるシステムで効率化を図る方法もあります。
【LINEで受注を受けるクロスオーダー】
「クロスオーダー」はLINEとFAX-OCRを利用して受発注業務をペーパーレス化することのできる食品業様向けのシステムです。
基幹システムとの連携による受注処理の効率化も可能で、得意先への販促にも活用できます。
LINEとFAX-OCRを利用した次世代型食品業受発注システム
【メールでの業務を自動化するAutoメール名人】
「Autoメール名人」はメール操作の自動化だけでなく、添付ファイルから抽出した後のデータ変換、およびスケジュール実行などの運用管理を含んだ3つの機能で構成されたメール関連業務の自動化システムです。メールを伴う一連の業務を安定して自動化し、基幹業務との連携でさらなる業務効率化を実現します。
FAX受注業務の効率化によるメリット
ここまではFAX受注の課題点や、効率化するための方法について見てきました。
効率化することによってどのようなメリットがあるかを整理してみましょう。
コストの削減
紙ではなく、データとしてFAXを受信することができるようになると、FAX処理のために割いていた人員の削減、紙やトナーにかかる費用の削減、FAX受信をするための機器に関する費用も削減することができます。
業務効率が上がる
受注書類がデータ化できると、内容確認や手入力の省力化ができるため、受注処理や納期回答・出荷確認などの効率化に繋がります。
また、紙での管理をする場合に発生する、紛失や処理漏れのリスクが削減できます。
これまで書類確認や整理に割かれていた時間を他の業務に回すことができるようにもなります。
ミスの削減
紙で管理していた書類をデジタル化することで、紛失や手書き注文書の確認作業がなくなります。
文書保管の観点でも、綴じ間違いが削減できるでしょう。
FAX受注業務ならではの人的ミスの削減に繋がり、FAXによる納期回答等の返信業務も合わせてデジタル化することで、業務の効率化も期待できます。
テレワークでの業務が可能になる
オフィス内でなければ確認ができなかった書類のデジタル化により、パソコンやタブレット端末で関連情報を確認できるようになるため、自宅での作業も可能となります。
これまでは出社しなければ業務ができなかった社員のテレワークも実現できるようになり、働き方改革や災害等での通勤困難時での業務も遂行可となるBCP対策にも繋げることができるでしょう。
■関連情報
まとめ
時間を問わずに受信するFAXの処理には大きなコストとミスの発生リスクが存在しています。ITを活用することで業務効率化やペーパーレス化、コスト削減に大きな効果が期待できます。
従業員の働き方改革にも繋げることができますので、システム化を検討してみてはいかがでしょうか。
FAX受注業務を効率化するソリューション
LINEとFAX-OCRで、受発注業務を効率化!
印刷や郵送のコストが高い
従来のFAXや書面を介した受発注をLINEに置き換え、印刷・郵送費用を削減。ふだんから使い慣れたコミュニケーションプラットフォームを転用するため、現場の混乱もありません。
取引先によって発注方法がちがう
LINEだけでなくPCやタブレットを通した受発注にも対応。FAXでの受発注もFAX-OCRによる文字認識で自動データ化。ユーザー単位で使いやすいツールを選ぶことができます。
必要な書類を探すのがひと苦労
どの方式で受注しても受注データは一元管理されるため、二重入力の心配なし。日付ごとの時系列整理や検索も簡単で、紙媒体のような紛失リスクもありません。
この課題へのソリューション
次世代型受発注システム「クロスオーダー」のカタログをダウンロードいただけます。
追加システムと連携させて、さらに効率UP!
メールでの受注業務も自動化したい
RPAツールを組み合わせれば、注文メール本文を受注データに自動変換。委託倉庫へも基幹業務システムから出力した出荷指示書を自動送信します。業務効率化とともにミスを削減!
在庫切れや過剰在庫を防ぎたい
基幹業務システムを組み合わせて、受注データと在庫データを連携。部門の枠を超えて最新情報を共有、在庫切れによる販売機会の逸失や廃棄ロスを防ぎ、適正在庫を実現します。
請求業務を効率化したい
同じく基幹業務システムとの連携で、受発注データを基にした仕訳データの作成が可能。食品業界特有の悩みである軽減税率や、イレギュラーな請求書にも柔軟に対応します。