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スパカクによる情報の一元化で物の流れがクリアに。時間外労働の減少やトレーサビリティ向上の効果も

株式会社波里様
 社  名
株式会社波里
 事業内容
米粉、胡麻、きな粉など 業務用・家庭用製品の製造・加工・販売
 設  立
1947年5月(創業)
 資 本 金
4,840万円
 所 在 地
栃木県佐野市村上町903

栃木県佐野市で70年以上の歴史を持つ株式会社波里様は、社是「『種を想い』『人を想い』『幸せを想う』」の下、米粉や胡麻、きな粉を主力に多彩な商品を展開。なかでも、米粉事業では、国内では2例しかない「ノングルテンJAS認証」を取得しており、家庭用米粉製品ではトップクラスのシェアを誇ります。

また、近年はEC部門の売上も伸長し、さらに業容を拡大しています。同社では2022年、既存のシステムから移行する形で、内田洋行ITソリューションズ(以下ITS)の統合システム「スーパーカクテル(スパカク)Core FOODs」を導入。
情報の一元化で社内の原料・商品の流れが見える化されたことで、時間外労働の減少などさまざまな効果が生まれています。

取扱い製品

導入後の効果
Effect

  • 売上・出荷量が増加する中、業務部の時間外労働が前年比400時間減
  • 社内の原料や商品の流れが可視化され、トレーサビリティ向上や物流効率化も
  • 生産のムダがなくなり廃棄も減少、利益を押し上げた

導入の背景
Background

在庫管理などの情報を一元化すべく、基幹システム導入を検討
基本機能が充実し、食品業に特化しているスパカクに決定

株式会社波里様は長年、他社の販売管理システムを利用して業務を進めてきましたが、2020年ごろからシステムの見直しの検討を始めました。アップデートされたOSに、それまでのシステムが対応できなくなることがきっかけでした。
また、従来のシステムだけでは解決できない課題があったと、同社業務部の諏訪智大課長は振り返ります。

「以前のシステムでは、仕入や売上の入力、顧客管理はまかなえていたのですが、在庫管理などは対応していませんでした。在庫については、毎月の棚卸をもとにExcelでつくる在庫帳をもとにしていて、システムとは紐づいておらず、情報の一元化ができていませんでした。

外観

そもそも理論在庫が存在せず、実棚で数えたものが正になる仕組みなので、棚卸差異率という概念がありませんでした。数え間違えて金額がずれたら手打ちで修正をかけるので、原因を探ることもできません。倉庫間移動も記録していなかったため、『いま、在庫がどこにどれだけあるかわからない』という状態。製造日別のロット管理もできておらず、トレーサビリティの面でも課題を抱えていました」

こうした状況を受け、同社では基幹システム導入を構想。諏訪氏が業務部に異動したタイミングで、さまざまなベンダーの製品を比較・検討しました。最終的に3社に絞り、プレゼンなどを経て、ITSの「スーパーカクテル(スパカク)Core FOODs」導入を決定しました。

「私は3社を比較しているとき、肌感覚で『スーパーカクテルがいいかな』と思っていました。一見すると、他社さんのほうが価格はリーズナブルなんですが、私たちに必要な機能をオプションでつけていくと、金額が高くなっていく。一方のスーパーカクテルは、基本パッケージに入っている機能が豊富だったのが好印象でした。

左から 金井 様(営業本部 受注係)、清水 様(営業本部 受注係)、諏訪 様(業務部 課長)、熊倉 様(営業本部 受注係)、梅澤 様(営業本部 受注係)

また、SEの方によるカスタマイズの対応が充実していそうなこと、食品業に特化していて、当社にとって使いやすいシステムであることも決め手となって、最終的にスーパーカクテルを導入することになりました」

導入の成果
Results

スパカクで業務の仕組みを再構築
売上・出荷量は増加も、業務部の時間外労働は前年比400時間減

導入にあたり同社は、各部署のメンバーからなる約10名のプロジェクトチームを発足させました。基幹システム導入による新しい仕組みづくりについて議論し、それをもとにITSとカスタマイズを進めていきました。

「例えば新たに導入したハンディターミナルには、出荷指示のほか、製造指示・移動指示の情報が流れるようにカスタマイズ。自社で送り状を発行し、運送会社さんにピッキング・出荷までお任せするという従来の仕組みにも合わせてもらいました。

導入時にはITSの担当者に、来社のうえ長時間対応してもらうこともありましたが、嫌な顔ひとつせず親身になって作業いただきました。また、当社側では専任の担当者を置くことができなかったので、各部署の担当者と都度やりとりしてもらいましたし、定期的に現状の問題点を聞きに来てくれました。困ったことがあればWebでも電話でも気軽に相談できますし、レスポンスも早いのは助かりました」

こうして導入したスーパーカクテルは、残業時間の削減という効果をもたらしました。

「例えば棚卸は、出力した棚卸表に数を手書きして、それを集計してExcelに打ち込んで…という作業。棚卸のある日は、1人あたり平均2~3時間の残業が発生していました。それが、スーパーカクテル導入で業務時間内に終わるようになったんです。

私たち業務部でいうと、年間の残業時間が前年比で412時間削減されました。部員は9名ですから、単純に平均しても1人あたり45時間あまり残業が減っている計算ですね。一方で、出荷のために出入りするトラックは前の年に比べて2割増え、売上も1割アップしています。こなすべき業務は増えているのに、スーパーカクテルで省力化ができているので、増員もせず、しかも残業を抑制できているのは大きなメリットだと思っています」

外観

原料・商品の流れが見える化され、トレーサビリティ向上+物流効率化
ムダな生産・廃棄も減少し、利益アップに貢献

さらに、スーパーカクテルで在庫管理や購買管理を含めて一元管理ができるようになったことで、社内の原料や商品の流れ全体が可視化されたと諏訪氏は語ります。

「かつては原料の管理にしても、『いまどれくらい在庫があるか』『15日時点と月末とを比べてどのくらい減っているか』などが把握できない状態でした。スーパーカクテル導入で、原料のカテゴリーごとに、どの倉庫にどのくらいあるか、ボタン一つで確認できるようになりました。

また、帳票類を出力する際にも、以前はそれなりにシステムに慣れている人物でないと対応できず、属人化している面がありました。今は、スーパーカクテルからさまざまなデータを簡単に下ろせるので、会議の際も『いま、あの商品の在庫はどれぐらい?』と聞かれても、5分と経たずに数字を出せるように。データをもとにした資料作成もかなり楽になりましたね」

加えて、トレーサビリティの向上や物流の効率化にも、スーパーカクテルが寄与しているようです。

「スーパーカクテルとハンディターミナルを連携させることで、厳密にロット管理ができるようになったのもメリットです。旧来の仕組みだと、出荷した商品に何か問題が生じると、紙の日報を隅々まで調べあげて『この日に生産されたものだ』と特定しなければなりませんでした。スーパーカクテルによって、そうしたトレースの作業がぐっと簡素化されて、トラブル発生時にも迅速に対応できるようになりました。

ロット管理ができるようになったので、商品がさまざまな倉庫に分散していても『何がどこに、どれくらいあるか』をきっちり把握できます。従来は1つの運送会社さんに出荷を委託していましたが、その他の企業にもアウトソーシングできるようになり、より効率的に物流業務を進められています。

取扱い製品

こうして、スーパーカクテルで社内の物の流れが見える化されたことで、ムダな生産・廃棄も減少。会社の利益増に一役買っています」

今後の展望
Prospects

スパカクを活用しきれていない部署へのフォローが課題
今後は原価管理機能を追加導入し、さらなる業務効率化を推進

時間外労働の削減やトレーサビリティ向上など、スーパーカクテル導入でさまざまな効果を実感しているという同社。一方で、まだスーパーカクテルを活用しきれていない部分があるといいます。

「お話ししたように、会社として専任のシステム担当者を配置できていないこともあり、部署によってはまだスーパーカクテルの操作への理解度が低く、活用しきれていない状況が見られます。今後は、各部署長と連携しながら、スーパーカクテルの理解度を測ったり、活用方法についてレクチャーするような会を定期的に開催する必要があるかもしれません。

今回のスーパーカクテル導入は、まだ最初のステップ。現状活用している生産管理や在庫管理などに加えて、これからは原価管理の機能を導入し、さらなる業務効率化を進めていきたいと考えています」

※掲載内容は取材時点のものです。

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