BSE(牛海綿状脳症)

1990年代に発生したBSE問題。BSEとはどのような病気で、現在はどのような対策がとられているのでしょうか。

BSEとは?

牛海綿状脳症(BSE)とは、牛がBSEプリオンと呼ばれる病原体に感染した場合に、脳の組織がスポンジ状になり、異常行動、運動失調などを示し死亡するとされる牛の病気の1つです。

1990年代、BSEに感染した牛の脳や脊髄等を原料とした餌を他の牛に与えたことが原因で、イギリスなどを中心に牛へのBSE感染が広がりました。
日本でも、2001年9月以降、2009年1月までの間に36頭のBSE感染が確認されています。
その後、世界的に牛の脳や脊髄等の組織を家畜の餌に混ぜないといった規制が行われ、BSEへの感染は激減しました。
日本においても、2003年以降に出生した牛からBSEは確認されていません。

BSEの特徴

BSEは、感染しても症状を示さない潜伏期間が3~7年程あるといわれています。
BSEを発症した牛は、神経過敏、攻撃的あるいは沈鬱状態となり、泌乳量の減少、食欲減退などにより消耗し、最終的には死に至ります。
現在でも、予防法、治療法はまだ開発されていません。

伝達性海綿状脳症(TSE)

BSEは、伝達性海綿状脳症(TSE)の一種です。
TSEは、プリオン病とも呼ばれ、異常プリオン(感染性タンパク質)が神経組織等に蓄積する伝染病です。
プリオンが原因とされる疾患は、牛で感染が確認されているBSE、羊・山羊のスクレイピー、鹿慢性消耗病(CWD)、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)があります。

TSEに共通する特徴として、以下3点が挙げられます。

  1. 潜伏期間が数ヵ月~数年の長期間にわたる
  2. 中枢神経系の神経細胞がスポンジ状に空胞変性をおこす
  3. 進行性、致死性の神経系疾患
【参考文献】

・厚生労働省「牛海綿状脳症(BSE)について」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/bse/index.html

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