- 社 名
- 株式会社カラミノフーズ
- 事業内容
- 食品の企画・開発・製造・販売
- 設 立
- 1993年7月
- 資 本 金
- 1,000万円
- 所 在 地
- 東京都新宿区西新宿6-26-3
1993年設立の株式会社カラミノフーズ様。冷凍食品など、主に国産原料を使用し、国内製造にこだわった多彩な商品を展開しています。
世界各国の料理を独自の視点で分析・商品開発した「世界のグルメ旅」シリーズは累計700万食を販売。生協をはじめとした食材宅配サービスへの卸販売のほか、自社ECサイトなどにも販路を広げ、着実に業績を伸長させています。
同社では2022年、既存の販売システムから移行する形で、内田洋行ITソリューションズ(以下ITS)の統合システム「スーパーカクテル(スパカク)Core FOODs」を導入。手作業に頼っていたさまざまな業務が一気に効率化したことで、業務にかかる時間が減り、コストダウンやミス抑制にもつながっています。


「世界のグルメ旅」シリーズ
導入の背景
Background
業容拡大に伴い、業務を一元管理できるシステムへの移行を検討
丁寧なヒアリングを行うITSへの信頼感がスパカク導入の決め手に
株式会社カラミノフーズ様は、15年ほど前に販売管理システムを導入。商品企画・開発を自社で行い、パートナー工場に生産してもらう「ノンファクトリーメーカー」である同社は、売上管理のみにシステムを利用していました。しかし、取り扱い商品や取引先の数が年々増加したこともあり、カスタマイズで在庫管理などの機能を追加。「つぎはぎ」のシステムで、手作業に頼る部分も多かったため、2020年ごろからシステム見直しを検討し始めたと、営業・商品企画担当の村田氏は振り返ります。
「商品のほかに原材料を含めると、250アイテム近くを管理しなければならない状況でした。また、生産を行う協力工場への製造依頼はシステム化されておらず、すべて手作業。Excelベースの発注書を作って送付していましたが、担当でないとわからない部分が多く、業務が属人化していました。時間も手間もかかっていたため、事業を次のステップに進めるために、きちんと投資してシステムを変えようと動き始めたのです」

左から 村田 様(営業・商品企画)、上野 様(経営企画)
同社は、総務・経理の実務担当者や営業担当者合わせて4名からなるプロジェクトチームを組織。既存ベンダーを含めた4社のシステムをリストアップしました。そこから、ITSの「スーパーカクテル(スパカク)Core FOODs」を含めた2つのシステムに絞って比較・検討。最終的にスーパーカクテルに決めた要因は、「信頼感」だったそうです。
「当時のITSの担当者から、当社の業務の進め方をかなり細かくヒアリングされました。現場担当者であるプロジェクトチームメンバーの話を相当時間をかけて聞いてもらって、全体の運用も考慮した提案をもらえたので、『信頼できるな』と思いました。 もう一つのベンダーさんのシステムも、画面のつくりが綺麗で使いやすそうだったのですが、ITSの誠実な姿勢が、私たちと合うと感じました。
また、スーパーカクテルは食品に特化していることも魅力でした。売上と在庫の管理だけでなく、システム化されていなかった製造依頼も一元管理することを考えると、当社と似た委託型の食品メーカーさんへの導入実績もあるスーパーカクテルなら安心。そこが決め手になって導入を決めました」
導入後の効果
Effect
- 現場実務に即したカスタマイズを行い、スパカクで業務を一元管理できるように
- 手作業が大幅に減ったことで効率化が進み、受発注業務は手間と人的コストが半減
- 在庫管理が円滑化し、コストダウンと納品ミスの抑制につながった
導入の成果
Results
ITSのサポートで、実務に即したカスタマイズとスムーズなシステム移行が実現
スパカク導入により、受発注業務にかかる時間と人的コストが1/2に
2021年12月の導入決定後、プロジェクトチームのメンバーが中心となってITS担当者と打ち合わせを重ね、カスタマイズを実施。データ移行などを経て、2022年末から本稼働となりました。
「導入決定後、現場の社員に対して『この業務をしなくてよくなる』『これはできなくなるけれど、代わりにこんなことができる』などと、プロジェクトチームのメンバーが新システムの情報を共有する場を頻繁に設けました。
旧システムからのデータ移行にあたっては、取引先マスターなどを効率的に移行・変換できるツールをITSに提供してもらいました。かなりの量のデータでしたが、なるべくこちらの負担が少なくなるよう、アドバイスをもらえたのは助かりました。
土曜・祝日は当番で受発注業務を行う関係で、導入後は全社員に講習を実施。スーパーカクテルの使いやすさもあって、新入社員でも3か月くらいで使い方を習得していましたね」

左から 村田 様(営業・商品企画)、上野 様(経営企画)
カスタマイズでは、以前のシステムと使用感が大きく変わらないよう、いくつかの工夫が加えられました。
「帳票作成ツールをスーパーカクテルと連携させることで、製造依頼書などを含めて、従来の帳票と見た目があまり変わらないようにしてもらいました。そこはすごく安心感があって、社員も抵抗感を覚えることなく移行できた部分はあると思っています。
細かいところで言えば、取引ごとに備考を入力できる仕組みにしてもらったので、『この取引はケース単位でOK』『賞味期限にはこんな条件がある』など、各現場の担当者が握っている情報を社内で共有しやすくなったのもメリットです」
スーパーカクテルによる一元管理に伴い、飛躍的に効率がアップした業務の一つは、多くの社員が関わる受発注だったそうです。
「今まで伝票は1枚1枚手入力でしたが、スーパーカクテルでは過去の伝票を参照して発注数や納品日を変えるだけで、新しい伝票が完成します。入力ミスも減るしスピードも速いので、以前は3~4時間くらいかかっていたものが、半分の2時間程度で終わるようになりました。多い時は1日4人で回していた受発注業務ですが、いまは2人で十分こなせます」
在庫管理の円滑化でコストダウンに成功
複数の社員によるチェックが機能し、納品ミスが大幅に減った
懸案だった製造依頼も、スーパーカクテルでシステム化。Excelのセルに一つひとつ情報を入れていくのに比べると、大幅に効率化が進みました。また、在庫管理が円滑になったことで、コスト削減にも寄与しているようです。
「生協などに供給する商品は、カタログ誌面での掲載規模などから需要を事前に予測して生産します。組合員さんのもとへ週5日配達があるので、毎週の細かい発注数の変動に対応できるよう、在庫を精緻に管理する必要がありました。一般的な月単位ではなく、週単位で在庫管理できるよう、ITSにカスタマイズをお願いしたのです。

レンジで簡単小籠包
どの商品がどれぐらい動いていくか、取引先単位・商品単位で、相当細かく見られるようになったので、需要予測の精度も向上。ムダな仕入れや過剰な生産がなくなり、コストダウンにつながりました」
スーパーカクテル導入により、受発注担当者から営業担当者まで、全社員がシステムを利用できるようになったことで得られたメリットもあると、上野氏は語ります。
「以前は、生協の販売スケジュールなどは営業担当者しか把握していない状況がありました。スーパーカクテルになって、受発注や製造依頼の担当者が自発的に『このままだと在庫が足りないのでは?』と気づいて、フォローできるようになりました。複数の社員の目が入って、属人化が解消できたのは大きいですね。

韓国風太巻とろ~りチーズキムチキンパ
今までは『納品数に対して在庫が足りない』『誤った商品を納品してしまった』という事象が散見されましたが、在庫をきちんとチェックできる仕組みが整ったことで、お客さまにご迷惑をおかけすることもほとんどなくなりました。やはり、システムが使いやすいからミスが減っているのだと思っています」
今後の展望
Prospects
ITSの迅速な対応を高く評価
今後はスパカクの機能フル活用で、業務効率化を推進
「スーパーカクテルを導入してまもなく3年になりますが、ITSにサポートをお願いするといつも迅速に対応してもらえます。納品期日に厳格なお取引先も多く、1日でも業務が止まってしまうと大きな影響が出てしまうので、ありがたいと思っています」
今後は、スーパーカクテルの機能をフル活用していきたいといいます。

キッチン
「例えば営業メンバーも、売上データを抽出して営業資料を作成するなど、スーパーカクテルを駆使しています。まだまだ使える機能があると思いますが、まだすべてを使いこなせているわけではありません。最終的にシステムを使うのは人間。一人ひとりがスーパーカクテルを今まで以上に活用し、業務効率化をさらに進めていければと思っています」
※掲載内容は取材時点のものです。