- 社 名
- 永井海苔株式会社
- 事業内容
- 海苔・椎茸の加工・製造
- 設 立
- 1959年8月
- 資 本 金
- 9,800万円
- 所 在 地
- 愛知県豊橋市問屋町11-3
1947年に創業した永井海苔株式会社様。家庭用から贈答用、業務用まで、高品質な海苔を提供している老舗メーカーです。近年では、フレーク状の海苔をごま油やオリーブ油などで香ばしく炒めた「韓国味付ジャバンのり」が人気を集め、モンドセレクションで6年連続「金賞」、ジャパンフードセレクションで「グランプリ」を受賞しました。
同社では2013年、内田洋行ITソリューションズ(以下ITS)の統合システム「スーパーカクテル(スパカク)デュオ FOODs」を導入。2023年にマイグレーションを行いました。ITSの営業支援システムや文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」などとの連携で、アナログ作業の削減、コストダウンが実現し、業務効率化も進んでいます。

ジャバンのり
導入後の効果
Effect
- スパカクと営業支援システムを連携させ、売上や利益の把握が容易に
- エアレポとの連携で請求書などの電子化に成功し、業務負担と経費を大幅削減
- 営業支援システムのリニューアルで、事務作業省力化と営業効率アップが実現
導入の背景
Background
商習慣や自社の仕組みに合わせたカスタマイズを行い、スパカク導入
サーバー更新を機に、さらなる業務効率化へ舵を切った
永井海苔株式会社様では業界特有の商習慣や、既存システムの画面や従来の伝票の様式などに合わせたカスタマイズを行ったうえで、スーパーカクテルを活用してきました。
「当社は帳合を挟んだ取引が多いため、商社さんや卸業者さんへのリベート計算のところはかなりカスタマイズをしてもらいました。そして当社の製品は、包装形態がさまざま。同じ商品でも、仏事用包装や、礼状ポケットがついた慶事用包装の違いがあったりと、用途ごとに異なる形態を区別する必要があり、ITSに柔軟に対応してもらいました」
そう振り返るのは、同社の永井利幸副社長。スーパーカクテルとデータ連携が可能なITSの営業支援システムも並行して導入し、商品ごとの利益や得意先別の出荷数などを一目で把握できる仕組みを整えました。転機となったのは2023年。原料となるノリの不足や、資材や物流費が高騰し、業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、スーパーカクテルを軸にしたさらなる業務効率化に向けて動き出しました。
「当時、従来使用していたサーバーの更新タイミングだったこともあり、長年使ってきたスーパーカクテルをアップデートしようということに。ITSに費用感やスケジュールを含めて相談した結果、スーパーカクテルは従来のものをマイグレーションし、営業支援システムについてはフルリニューアルするという提案をいただきました。そしてこれを機に、請求書などの電子化をはじめとした、効率化・コスト削減につながる仕組みづくりも行うことにしました」

左から 代表取締役 副社長 永井利幸 様
管理部 課長代理 永井迅可 様
導入の成果
Results
ITSの「AirRepo(エアレポ)」との連携で、請求書・納品書を電子化。
半日がかりの郵送業務の負担がなくなり、切手代も大幅削減
文書の電子化にあたっては、ITSの文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」を導入し、スーパーカクテルと連携。月初に経理担当の社員が請求書を出力し、封筒に入れて郵送する作業を削減することを目指しました。
「AirRepo導入により、ファイルをアップロードするだけで、お取引先さまごとにFAX・メールなどで請求書を送付できるようになりました。経理の社員が総出で、半日かけて行っていた請求書送付作業がなくなったので、業務効率化に大きな効果があったと思います。当然、郵送のための封筒代やコピー用紙代、そして切手代も大幅に減少。これを受けて、日々の納品書についても電子化を行いました」
同社で発行する請求書・納品書は毎月1,000通を超えるといいます。紙代や封筒代、郵便料金など、年間で180万円のコスト削減になる計算。お取引先からも電子化はおおむね好意的に受け取られているようです。
「以前から、お客さまのほうから『PDF請求書をメール添付してほしい』という要望があったくらいなので、どうしても紙の請求書でないといけないという先を除き、多くのお取引先さまに受け入れていただけました。AirRepo上で先方がダウンロードしてくれたかも確認できますし、とにかく文書管理がしやすいですね」

第三工場外観
営業支援システムをフルリニューアル
操作性改善や機能強化で事務作業の省力化が進み、営業効率もアップ
一方、フルリニューアルとなった営業支援システムでは、従来よりも強化してほしい機能・操作性について、ITSへ改善を要望。営業担当者にとって使いやすいシステムになるよう、時間をかけてリニューアルを進めました。
「営業支援に関しては、やはり時間がかかってしまう日々の作業をカバーしてもらうことが一番の目的でした。とくに営業担当者にとって負担感が強かったのが、カスタマイズのところでお話ししたリベートや、値引きに関する入力作業。毎月、各担当者が半日から1日かけて入力していました。お取引先さまによって金額も違うため、完全な自動化は難しかったのですが、入力や編集がスムーズにできるよう、操作性を改善。毎月の作業時間の短縮につながりました」
また、毎日の売上・出荷状況の確認画面もリニューアル。取引先ごとに表示される売上を、ワンクリックで合計したり、詳細情報を参照できるようになりました。
「画面を見て電卓で計算する作業がなくなり、営業担当者の事務作業の省力化が進みました。毎日の売上はもちろん、前年同月比なども一目でわかるようになったので、営業効率がアップしたと思います」
今後の展望
Prospects
製造管理でのスパカク活用を進め、手作業を削減。
ITSとのさらなる連携で課題解決を進める
すでに全社的にスーパーカクテルを活用している同社。今後の展望について、製造管理の領域でスーパーカクテルをさらに役立てていきたいと、永井利幸氏は語ります。
「とくに資材管理の自動化を進めたいと思っています。『どのくらい資材があって、どのくらい使ったのか』という部分を、スーパーカクテルで把握できるようにすることで、アナログ作業をさらに減らせると思っています」
ITSとは、定例会を2~3ヶ月に一度実施。IT化に関する最新情報の共有や、さらなる業務効率化の取り組みについてのすり合わせを進めています。
「スーパーカクテルに限らず、ITSの力を借りて改善したい課題があるので、一つずつ進めていただいているところです。こうした取り組みを通じ、私たちは今後もお客さまの信用を裏切らない、安定した品質の美味しい海苔をお届けし続ける企業であり続けたいと考えています」
※掲載内容は取材時点(2025年7月)のものです。