複数業務システムを統合し、業務全体の見える化と効率化を実現

　結わえる様は玄米ご飯パックをメインに製造・卸売・ECサイトでの小売を生業とされています。パックご飯市場の拡大に加え、コロナ禍での巣ごもり需要や健康ブームで「玄米」が注目され業績は好調です。創業当初、無菌米飯は白米が主流で、玄米は炊くのにも手間がかかるが、レンジアップで手軽に食べられる点が受けています。取扱いアイテムは「寝かせ玄米ごはんパック」「玄米甘酒」など約200種類。当時、業務システムは実店舗、ECサイト、卸とそれぞれ独自に稼働し、工場は生産伝票を手書きし、棚卸し在庫は倉庫会社のシステムに依存していました。コストダウンや内部統制など一元化を目的に、統合システム「スーパーカクテル（スパカク）（内田洋行製）」を2020年5月に採用しました。

（左写真）化学肥料不使用の寝かせ玄米は、特殊な圧力釜で炊いた玄米を独自製法で寝かせたレトルトパック。 （右写真）小豆、黒米、十五穀、もち麦など種類も豊富。

導入後の効果
Effect

導入の背景
Background

販売管理、生産管理、在庫管理までの道筋をつけた提案がポイントに

　スパカク導入以前は、複数の業務システムが稼働し作業も属人化していました。数社ベンダーを比較検討しましたが、内田洋行のスパカクが食品業界での実績が一番多く、知見がありました。販売管理を実行後に「生産管理、在庫管理までの道筋をつけた提案が魅力的で導入のポイントとなった」とのこと（管理本部 管理部 情報システムチーム 橋本哲也氏）。外資からのシステム提案も多くありましたが、サポートや安定感で国内メーカーを優先しました。

導入の成果
Results

業務全体の可視化が進み、効率化により休日出勤や残業も削減

　統合システムの導入で、倉庫会社のシステムを頼っていた棚卸し在庫は、現在、複数に跨る倉庫の在庫が自社で管理ができています。販売実績もECサイトごとに専任者がチェックしていましたが、複数の目で確認できるようになり人員削減も進み、社員の意識も向上しました。部分的視点から業務全体が見渡せる社員が増え「どういう形で業務に貢献しているか」を理解し効率化も進んだようです。休日出社や残業が大幅に減り、経営や営業会議で使う資料作成もシステム担当者を介さず使えるようになりました。BIツールによる分析も進み、経営のかじ取りがしやすくなりました。

業務が変化することへの抵抗は、必要性を説いて理解を促した

　導入では、データを扱う上で言語の統一化（精緻化）に時間がかかりました。同じ内容でも現場ごとに、話が通じないこともあった為、商品コードや呼び方などを規定フォーマットに落とし込みを行いました。現場は既存業務を変えたくないが、パッケージ化で、業務は変わってしまうこともあります。帳票の変化をはじめ抵抗はありましたが「なぜ今これをやるのか」という疑問を掲げ「システムでの最終形としてゴールを描かせた」。「特にコードではなく、商品名で管理している人にはコード記載を促す」など試行錯誤したそうです。

ECサイト側の情報も取り込めるようカスタマイズも

API連携で別ソフトとも連携

　カスタマイズはECサイト向けに、個人で購入し請求先が各サイトになるようにBtoCからBtoBへの変換などデータを統合し取り込めるようにしました。当時は実店舗でスマレジもありました。店舗は百貨店のテナントがほとんどで、コロナ禍で営業の可否は自社に決済がないため昨年3月に分社化し、商品を卸すやり方に切り替えています。スパカクは、API（ソフトやアプリを公開することで第三者が開発したソフトウェアと連携しやすくする）機能で連携をさせています。

今後の展望
Prospects

知見のある業界標準システムをシンプルに使う

　橋本氏自身はシステム導入に関わらず、運用から見ているが、ERPは極力シンプルな方がよいという。知見のある内田洋行のシステムは、カスタマイズすれば規定のマニュアルから外れる可能性もある。「ERPは〝企業システム〟としてすでに最適解だ」と思うと持論を持っています。同社も昨年が導入1年目で、データを貯めてこれから足りない分を補足、何ができて何ができないのかを積み上げて検証していく方針です。

お弁当やおむすび、カレーにもよく合う寝かせ玄米は料理のレパートリーも豊富です。

※掲載内容は取材時点のものです。

おススメの製品・ソリューション

　スーパーカクテルCore FOODsの製品カタログをPDFにてダウンロードいただけます。