- 社 名
- 株式会社半兵衛麸
- 事業内容
- 京都の麸、ゆば専門店(創業330年を超える「京麸」の老舗)
- 資 本 金
- 3,000万円
- 社 員 数
- 132名
- 本社所在地
- 京都市東山区問屋町通五条下る上人町433
半兵衛麸は京都で創業330年を迎える麸のしにせだ。日配ものの手作り生麸と日持ちする焼麸がメイン商材で、卸・小売に加え、生協向けPBなども含めると約1,000アイテムを超える。
(左)もっちりとやわらかで、弾力のある食感の「なま麸」 (右)つるっとなめらかな食感の「やき麸」
導入後の効果
- 高度な次元での在庫管理の実現により、現場の意識改革~品質向上につながった
- 在庫の見える化が販促や営業における効率アップにも貢献
- 新システムの導入プロジェクトは部門長を交え全員参加型に
導入の背景
Background
――『スーパーカクテルデュオFOODs』導入当時の御社の状況を教えてください。
カスタマイズ対応の限界と業務の複雑化を業界パッケージ採用で再構築
長年スクラッチの業務システムを利用し、都度カスタマイズ対応してきたが、業務が複雑化し、効率の悪さを感じていた。基幹システムの入替を業務改善の機にしようと、業務フローを再構築し、極力パッケージに合わせることを検討していた。内田洋行ITソリューションズ(内田洋行ITS)が2019年4月に提案した「スーパーカクテルデュオ販売・生産・原価(スパカク)」(内田洋行製)の導入が決まり、本稼働から1年半が経過する。従来に比べて高度な次元での在庫管理が実現できている。昨年、FSSC22000の認証を取得し、効率的なロット管理や在庫管理、トレーサビリティ対応も求められるが、現場の意識も変わり大幅に品質が上がっている。
導入のポイント
Point
――新システム選定時の状況はいかがでしたか。
初のシステム移行は大事をとり2カ月の並行稼働
年末が繁忙期の麸業界で、2018年末に商品コードの取り直しや基本マスタを作成し、年始から運用を始め4月の稼働に向け準備をした。初のシステム移行で大事をとり約2カ月の並行稼働を経て、本稼働になったが「大きなトラブルはなかった」(同社長岡弘樹プランニング室室長)という。
長岡弘樹プランニング室室長
検討は3社。担当者の丁寧さ問合せのしやすさも評価
システム選定では約半年かけ3社の販売管理システムを比較検討し、自社の業務フローに最適なスパカクを選定。営業やSE(システムエンジニア)の説明が丁寧で分かりやすい点も高評価だった。3社中、内田洋行ITSだけが京都に支店をもち「トラブル発生や不明点があっても密に連絡がとりやすい」と考えた。
システム導入の成果
Results
――実際に『スーパーカクテルデュオFOODs』を導入してどのような効果がありましたか?
在庫の見える化が販促や営業における効率アップにも貢献
旧システムでは在庫管理もさほど緻密ではなかった。実際に端末上で在庫が見える化され、販売促進や営業活動でも大幅な効率アップに繋がっている。
新システムの導入プロジェクトは部門長を交え全員参加型に
システム移行で大幅な業務改善も行った。従来は、長岡氏とシステムベンダーが1対1のやりとりだった。今回、システム選定や構築段階から部門長を交え全員参加型に切り替えた。「最初から自分たちが利用するという意識付けができ、移行もスムーズだった」と当時を振り返る。
(左)なま麸製造:小麦たんぱくにもち粉を加えた生地を木枠に入れ、蒸します。
(右)やき麸製造:小麦たんぱくに小麦粉を加えた生地を細く棒状に。伸ばしながら釜入れします。
今後の展望
Prospects
――今後の課題や展望はございますか?
原価管理とEDIやEOSなどの外部連携を検討
現在の課題は、システムが標準でもつ「生産原価管理」の部分で一部対応できていない機能があるため「年内を目処に稼働させたい」と考えている。コロナ禍で製造や出荷が減り、従業員を自宅待機にしたが、今後、EDIやEOSなどの外部システムの連携で一段の省力化を図る予定だ。 同社ではSDGsにも注力している。在庫管理が発展すれば適正在庫を保ち食品ロスの削減にも繋がる。製造現場では今後、タブレット端末導入も検討中で現場での実績入力による効率化に加え、紙帳票も減らす方向だ。
麸の認知度向上へ
若者への麸の認知度向上を目指し小学校での食育活動や東京・銀座ではセカンドブランドで菓子や洋風化した麸商品展開も行う。北米や中東などのエアーラインではファーストクラスで同社の麸が機内食に提供されている。海外の有名シェフが採用した実績を国内にフィードバックし、国内基盤の強化も図る。
新しい麸の味わい方などを提案する「ふふふあん」。
チョコでコーティングしたお麸やスープに入れるお麸など、洋風でもお楽しみいただけます。
宇宙食にも「麸」の採用を目指して
2年後に迎える創業333年の節目には焼麸の「宇宙食」採用を目指しJAXAにも働きかける。 内田洋行ITSはシステム導入だけでなく、サポートや勉強会、気軽に相談できる環境を整えてくれており「今後もパートナーシップを継続したい」と語る。
※掲載内容は取材時点のものです。
おススメの製品・ソリューション
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