- 社 名
- 阿部幸製菓株式会社
- 事業内容
- 米菓製造、惣菜製造販売、鏡餅製造、食品販売
- 設 立
- 1964年5月
- 資 本 金
- 4,500万円
- 所 在 地
- 新潟県小千谷市上ノ山4-8-16
7種の味を楽しめる「かきたね」や、ざくざくとした食感がたまらない「柿の種のオイル漬け」シリーズなどで知られる阿部幸製菓株式会社様は、1899(明治32)年創業の歴史ある企業。小型米菓の卸売事業を主力とし、鏡餅の製造や食品販売も手がけています。新潟県内を中心に9社からなる阿部幸製菓グループのビジョンは「おコメと和の嗜好品メーカー」。さまざまなアプローチでお米の魅力を提案し、日本独自の食文化を支えています。
柿の種
かきたねカラー
同社では従来、販売管理業務にのみ自社開発のシステムを使用していましたが、2023年に内田洋行ITソリューションズ(以下ITS)の統合システム「スーパーカクテル(スパカク)Core FOODs」を導入。生産・販売・在庫・原価を一元管理することで情報の見える化が実現し、手作業に頼っていた業務も効率化しています。
導入後の効果
Effect
- アナログ作業が大きく減少し、ペーパーレス化も前進した
- 生産・販売・在庫・原価の一元管理で、情報の見える化と属人化解消を実現
- 在庫管理を統一するなど、グループ会社間の連携も加速した
導入の背景
Background
アナログベースで部門ごとに運用の異なる業務に課題
米菓業界でも導入実績のあるスパカクを導入
従来、販売管理システムのみを運用していた阿部幸製菓株式会社様。生産管理など他の業務にはExcelや手書きの書類を使い、部門ごとに運用も異なっていました。このため、「その人でないとできない」ノウハウが存在し、業務が属人化。予実管理のためのデータ集約なども手作業で行われ、業務負荷が高まっていたと、同社取締役・グループCFOの蒔田英之氏は振り返ります。
「原価管理や要因分析の精度も十分ではありませんでした。商品別・顧客別の利益・損失を正確に把握し、その要因を特定できなければ、適切な対策にはつなげられません。米菓は製造効率としては安定していますが、原材料の高騰など経営環境が大きく変わる中で、利益構造の可視化は不可欠。現状の課題を解消し、データを一元管理できるERPの導入が必要だったのです」
2019年ごろからERP導入に向けて動き始めた同社。誰でも使える、汎用性のあるパッケージであることを前提に、慎重に検討を行いました。決め手に欠け、一度はプロジェクトを休止したものの、2022年から再び検討を重ね、最終的に「スーパーカクテルCore FOODs」の導入を決定しました。
左から、経営管理部 部長 磯部陽子 様、グループCFO 蒔田英之 様、製品資材部 受給管理課 課長 田村剛 様
「従来の販売管理システムは独自に構築したもので、法改正や事業拡大などの際は都度カスタマイズを行う必要があり、コスト負担が少なくありませんでした。投資を抑えられる汎用パッケージに統一すれば、属人化していた業務プロセスを標準化・効率化できるという判断でした。検討は長期間にわたりましたが、スーパーカクテルを採用したのは、食品業界での導入実績が豊富で、かつ米菓業界での導入例もあったことが大きかったですね」
導入の成果
Results
現場での「横展開」で、システム定着の壁を突破
スパカクで手作業が減少し、棚卸・月次決算の時短も実現
2023年の導入決定後、蒔田氏以下4名からなるプロジェクトチームが、ITSとともに導入準備をスタート。これまでシステムが未整備だった領域については、まず業務の進め方や手順を明確にしていきました。
「誰でも同じように運用できる形に整えることに時間をかけました。当初は極力カスタマイズしない方針でしたが、最終的には現場での運用を考慮したカスタマイズを行うことに。プロジェクトチームは専任ではなく、通常業務と並行して作業するため時間を要したのもあり、本稼働は2025年7月となりました。
現場への定着に向けては、テスト段階で操作のコツをつかんでいた社員を育成し、他のメンバーへ展開する体制を構築。最初のうちはシステム導入に懐疑的な社員もいましたが、現場の中で自然にスーパーカクテルが広がる仕組みをつくることで、スムーズに運用定着につながりました」
スーパーカクテルの導入効果は、アナログに頼っていた現場業務に表れはじめています。手書き・手作業が減少し、ペーパーレス化が大きく前進。作業効率アップにつながっているようです。
「月次作業の時間短縮・効率化が図れています。例えば棚卸業務は、以前は実地棚卸した結果を各部門にExcelで提出してもらい、それらを改めてExcel上でまとめていました。今は現場で棚卸した情報をそのままスーパーカクテルに入力できるので、かなり時間短縮になっていますね。棚卸が早く出せるようになったことで、スピードが求められる月次決算も効率化しました。これまで人の手で行われていた作業を減らすことは、効率化だけで なく人手不足解消のポイントにもなると考えています」
スパカクにより属人化解消と情報の見える化が実現
グループ内の在庫管理も統一し効率アップ
販売管理・生産管理・原価管理の3つのモジュールを同時に運用開始して約1年。蒔田氏は、各部門でバラバラだった業務運用が、スーパーカクテルによって見える化できたと語ります。
「運用を開始して1年なので、まだまだ慣れない面や運用面での課題もあります。ただ、生産・販売・在庫・原価を一元管理することで、情報共有の統一と属人化解消が図れている点に、大きな導入効果を感じています。
また、先ほど触れたように旧販売管理システムは帳票ありきの仕組みで、分析に時間を要していましたが、スーパーカクテル導入により正確でスピーディーな分析が可能になりました」
グループ内の各事業会社で行っていた在庫管理も、スーパーカクテルで共有できるように。倉庫間・グループ間での在庫の見える化ができたそうです。
「商流を一本化している3つのグループ会社については、受注・出荷など販売管理業務もスーパーカクテルで統一。効率的な運用につながっているので、その他のグループ会社についても段階的に統一を図っているところです。事業領域も拡大しているので、グループ間でのスーパーカクテル活用を進め、相乗効果を高めたいと考えています」
柿の種のオイル漬け
今後の展望
Prospects
今後はスパカクとBIツールとの連動を検討
1年間の運用実績をもとに、さらなる体制強化へ
スーパーカクテルによる作業効率改善を進めながら、1年間運用した実績をもとに次のアクションを検討しているという蒔田氏。具体的には、スーパーカクテルとBIツールを連動させることを考えているといいます。
「ダッシュボード上でその日の生産状況や売上、主要な経営指標などをリアルタイムに把握できる仕組みを整備したいと思っています。現場社員から経営層までが同じデータを共有することで、迅速な判断や改善につなげられる体制づくりを進めていく予定です」
そして取材の結びに、スーパーカクテルの導入を考えている企業様へ向け、メッセージをいただきました。
「今回の経験からお伝えすると、システム導入にあたっては早い段階で現場を巻き込み、理解の速いメンバーを育てて、横展開していくことが重要です。また、当社のようにプロジェクトメンバーが通常業務と並行して導入を進めると、担当者の負荷が大きいため、可能であれば専任に近い体制を確保することをおすすめします。現場とプロジェクトチーム側が同じ方向を向ける環境づくりが、スムーズな導入と定着につながると思います」
※掲載内容は取材時点(2026年4月)のものです。












