- 社 名
- 株式会社キャニオンスパイス
- 事業内容
- 固形ルウ・レトルト食品の製造
- 設 立
- 1999年7月
- 資 本 金
- 1,000万円
- 所 在 地
- 大阪府泉南市りんくう南浜2-17
株式会社キャニオンスパイス様は、野菜や果物をたっぷり混ぜ込んだ「こどものためのカレールウ。」「こどものためのレトルトカレー。」をはじめ、多彩な固形ルウ・レトルト食品を製造する企業です。創業は1979(昭和54)年。1,000種類を超える多品種・小ロット生産に強みを持ち、OEM商品の生産も手がけています。
「こどものためのカレールウ。」「こどものためのレトルトカレー。」
同社では従来、販売管理業務においてシステムを使用していましたが、2013年に内田洋行ITソリューションズ(以下ITS)の統合システム「スーパーカクテル(スパカク)Core FOODs」を導入。2021年の第二工場稼働開始に合わせて、食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」の運用も開始し、販売・生産・原価管理とトレーサビリティ管理の連携により、ミスの低減、業務効率化を実現しました。
導入後の効果
Effect
- 手書き・紙ベースの作業で発生していたミスが大きく減少
- FOOD-Proとの連携で作業の標準化が進み、属人化が解消
- 製造予定の見える化が進み、効率的な生産が可能になった
導入の背景
Background
手書き業務によるヒューマンエラーを減らすため、標準機能が充実しているスパカクの導入を決定
キャニオンスパイス様は長年、販売管理にのみパッケージシステムを利用し、生産管理などは手書きをベースにしたアナログ中心の業務を行っていました。顧客の細かなニーズに応えるため、少ロット・多品種生産を行う同社。製造から梱包までの各工程における複雑な製造指示を手書きベースで行っていたため、ミスが発生しやすい状態だったと、同社常務取締役の辻田大樹氏は語ります。
「当社はOEM生産を含め、お得意先さまのご要望を柔軟に受け入れながら製造しています。このため、『こちらから送った肉を使ってカレーをつくって』『パッケージにスパイスやスプーンを別添で入れてほしい』など、商品ごとに製造・梱包のしかたが異なるのです。
その都度手書きで指示書をつくる必要があり、チェック漏れに起因する配合ミスや添付ミスなどが少なからずありました。そうしたヒューマンエラーを低減し、業務効率化やデータ活用などを進めるためにも、ERPの導入に向けて動き始めました」
左から、Factory02工場長 高山 亮介 様、
常務取締役 辻田 大樹 様
デモなどを通して、さまざまなERPを比較・検討した同社。コスト面などから2つの製品に絞り、最終的に「スーパーカクテルCore FOODs」の導入を決定しました。決め手の一つは、スーパーカクテルの充実した標準機能だったといいます。
「スーパーカクテルは、ベースになっている標準機能の完成度が高いなと思いました。データのCSV出力も当たり前にできますし、デモにおいても使いやすさを感じたんです。あとは、ITSの営業担当者の方とフィーリングが合ったというのも、理由の一つですね」
導入の成果
Results
スパカクで工程ごとに製造指示を作成し、ミス減少
FOOD-Proとの連携で、作業の属人化も解消した
スーパーカクテルの稼働開始は2013年。課題だった配合ミスや添付ミスを低減させるため、製造・梱包それぞれの工程向けに異なる作業指示書を作成できるよう、カスタマイズを実施しました。使用量などのほかにも、作業に必要な事項を適宜入力できる形を取りました。
「スーパーカクテルを導入して間もない頃は、現場から『やることが増えて面倒』という声はありました。ただ、必要な情報を網羅した製造指示書を、工程ごとに作成できるようになったことで、入れ忘れや作業の抜けが目に見えて減少していったんです」
さらに同社は、2021年の新工場(第二工場)操業開始のタイミングで、食品トレーサビリティシステム「Trace eye FOOD-Pro」を導入しました。原材料の入荷から製造、製品の出荷までを現物ベースで管理できるFOOD-Proをスーパーカクテルと連携させることで、製造指示書の確認・結果の入力もシステムで完結できるようになりました。
「スーパーカクテルとFOOD-Proの導入により、熟練者でなくてもミスなく作業可能な仕組みをつくることができました。以前は属人的な作業もあり、工場長など管理職が細かに現場をフォローしていましたが、今は基本的に誰にでも作業を任せられるので、その必要もなくなりました。
生産管理以外の部分でも、ほとんど手書きでやっていたものがシステム化されたことで飛躍的な進歩がありました。データの活用ができるようになったこともそうですし、経理部門のミスも減りましたね」
第二工場外観
工場見学の部屋
トレーサビリティ強化でトラブル対応がスピーディーに
製造予定の見える化も進み、効率的な生産が可能になった
辻田氏は、スーパーカクテルとFOOD-Proの連携が、製造工程の効率化はもちろん、トレーサビリティの強化につながっていると話します。
「何か問題が起きたとき、データを追跡することが以前よりはるかに容易になりました。有事の際に速やかにトレースを行い、どのロットのどの原料に原因があったのかを突きとめられる体制を整えておくことは、とても重要です」
加えて同社は、システムと連携させた大型モニターを現場に設置し、製造予定の見える化にも着手。これがさまざまな波及効果を生んでいるといいます。
「従来、製造スケジュールをきちんと把握しているのは限られたメンバーだけでした。そこでモニターを設置し、『どんな作業を実施しているか』『どの程度まで完了したのか』をリアルタイムで確認できるようにしたのです。
ITSに相談し、終わった工程はグレーアウトさせたり、スケジュールの変更も視覚的にわかるようにするなど工夫。モニターの前で定期的にミーティングを実施するルールをつくり、全員が製造の進捗状況を把握できるようになりました。『予定よりも早く進んでいるから、この作業を進めよう』などと、みんなで情報共有・協議しながら効率的に生産できています。
ミーティングの様子は応接スペースからも見えるので、来社された方からお褒めの言葉をいただくことも。OEM関連の商談時には、お客さまに『この会社に依頼したい』と思っていただけるようで、成約率が上がっていると営業担当者から聞いています」
オフィス
会議室
今後の展望
Prospects
今後は、残るアナログ業務を順次電子化へ
営業や経営判断に必要な、正確な原価管理の仕組みも構築
スーパーカクテルとFOOD-Proの連携で業務効率化に成功した同社は今後、さらなるDX化を進めていくといいます。
「受注書のやりとりや金属探知機の記録など、業務の一部に、まだ手書きや紙ベースのアナログ処理が残っているので、クラウドをはじめとしたツールを使って順次電子化していく予定です。
また、OEM生産における原料の有償支給やロイヤリティなど、得意先さまごとにさまざまな処理が必要なため、これまでは正確な原価の把握が難しい状態でした。包材をはじめ、さまざまな原料の値上げが続く中、データをもとにした緻密な原価管理は、円滑な営業活動や適切な経営判断には不可欠。ITSに依頼し、最新の仕入価格や販売価格、ロイヤリティなどを考慮した原価を、スーパーカクテルが自動的に算出してくれる仕組みをつくっているところです。今後も、ITSとともにDX化を進めていきたいと考えています」
※掲載内容は取材時点(2026年7月)のものです。
















