食品衛生法

2021年6月、改正食品衛生法の「営業許可の見直し」「食品リコールの報告義務化」が施行されます。

食品衛生法とは?

食品衛生法とは、食品汚染や食中毒など飲食によって生ずる危害の発生を防止し、食品の安全性を確保するために1947年に定められた法律です。食品と添加物などの基準、表示、検査等の原則を定めています。所管官庁は、厚生労働省と消費者庁になります。
2003年に制定後初の抜本的改革が行われ、その後2018年6月、HACCP(ハサップ)の制度化や食品リコールの報告義務化、健康食品の規制強化など全ての施行まで2年を有する大改正が行われています。

食品衛生法改正の背景

2018年の食品衛生法改正の背景として、以下の2点が挙げられます。

  • 世界中でTPPEPA等の経済の自由化を推進する動きが活発になる中で、日本の農水産物や食品の国際的競争力を確保すること
  • オリンピックを契機とするインバウンド対策

食品衛生法改正の内容と施行時期

2018年の食品衛生法改正の内容と施行時期は以下の通りです。

① 広域的な食中毒事案への対策強化

施行日:2019年4月1日
広域的な食中毒事案の発生・拡大防止のため、国や関係自治体間で相互に連携・協力を行います。

② HACCPに沿った衛生管理の制度化

施行時期:2020年6月1日
※~2021年5月31日までは準備期間。2021年6月1日から完全施行。
一般的な衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施が原則全ての食品等事業者に義務付けられます。

③ 特別の注意を必要とする成分等を含む健康被害情報

施行日:2020年6月1日
健康食品のうち、特別に注意が必要な成分を含む食品について、健康被害が起こったときに事業者から行政へ届出を行うことが義務化されました。

④ 国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備

施行日:2020年6月1日
これまで、食品用の器具や容器包装は、使用を制限された物質でなければ利用できる「ネガティブリスト制度」で運用されていましたが、今回の改正で安全性が担保された物質のみを使用できる「ポジティブリスト制度」へ変更になりました。

⑤ 営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設

施行日:2021年6月1日
HACCP の制度化に伴い、これまで営業許可が必要ではなかった事業者も営業の届出もしくは許可が必要になります。

⑥ 食品リコール情報の報告制度の創設

施行日:2021年6月1日
事業者が製造・輸入を行った食品について、自主回収(リコール)を行う場合の国への報告が義務付けられます。

⑦ 輸入食品の安全性確保・食品輸出事務の法定化

施行日:2020年6月1日
食品を輸入する際に輸入食品の安全性を確保するため、HACCP による衛生管理や乳製品・水産食品の衛生証明書の添付が必要となりました。
食品の輸出にあたっては、輸出先国の衛生要件を満たすことを示すために、国 ・ 自治体における衛生証明書の発行などの事務手続きを必ず行うことが定められました。

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【参考文献】

・厚生労働省「食品衛生法の改正について」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197196.html

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