食品産業デジタル技術活用のイマを知る

食品産業デジタル技術活用のイマを知る

社会全体でデジタル化の実現に向けた取組が加速する中、農業や食関連産業分野でも、デジタル技術の活用による変革、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取組が進みつつあります。

食品製造業のトリプル・スリー

2020年代において目指すべき目標

食品製造業者や関連事業者等の関係者と政府が、食品産業の抱える課題について認識を共有し、今後のビジョンや対応方向を検討するため、「食品産業戦略(食品産業の2020年代ビジョン)」を取りまとめ、2018年に公表しました。この戦略では、日本の産業における食品産業の位置付けや、食品製造業の労働生産性の低さ等の課題が整理され、他方で、和食や日本独自の食品への関心の高まり等、将来性を期待できる「機会」があることが確認されています。

これらを踏まえて、各食品製造業者が2020年代において目指すべき目標として、①需要を引き出す新たな価値の創造による付加価値額の3割増加、②海外市場の開拓による海外売上高の3割増加、③労働生産性の3割向上が掲げられ、この目標を日本の食品製造業の「トリプル・スリー」として取り組むことが提言されました。

食品製造業における労働力の現状

▲有効求人倍率 推移

食品製造業における労働力需給の現在の状況は、他の製造業と比べ雇用人員不足感が高い状況にあります。
2021年度は製造業全体の有効求人倍率が1.62(※1)であるのに対して、飲食料品製造業分野の有効求人倍率は2.19(※2)と、依然他の製造業に比べて高い傾向です。

※1:厚生労働省「一般職業紹介状況
※2:農林水産省「有効求人倍率の増減

▲雇用人員判断(DI) 比較図

さらに、日銀短観によれば、「食料品製造業」(中小企業)の雇用人員判断(DI)は、2017年3月にはマイナス30であったものが、2019年3月にはマイナス38となっています。
2021年には全産業のGIはマイナス1にまで回復しましたが、食料品製造業は依然マイナス12と、依然「製造業全般」(中小企業)よりも深刻な状況であるということを示しています。

※1:日本銀行「全国企業短期経済観測調査(短観)(2021年9月調査全容)

新型コロナウイルス感染症が食品業に与えた影響

新型コロナウイルス感染症は、2020年より世界的な⼤流⾏に発展し、世界の経済・社会に⼤きな影響を及ぼしています。日本においても、学校の休校や外出⾃粛、インバウンド需要の減少等により、経済・社会に多⼤な影響が⽣じました。密を避ける⽣活様式が一般的になり、⾷事をする場所や⾷べ物の⼊⼿先が変化し、個々の農畜⽔産物の需要に⼤きな影響を及ぼしています。⼀⽅、デジタル技術を活⽤した⽣活様式の変化は、テレワーク等場所を問わない働き⽅の進展につながるとともに、オンラインを通じた消費者と⽣産者、地⽅と都市との新たな交流をもたらしています。

⾷料消費への影響

⾷料消費への影響

新型コロナ拡⼤の影響で外出自粛を余儀なくされ、家庭における料理機会の増加に伴い、⾷品スーパーの売上⾼は増加しています。

販路の維持・拡大

販路の維持・拡大

新型コロナウイルス感染症の拡⼤を受け、⽣産者が新たにオンラインを通じて消費者に直接販売する動きが⾒られました。

地方への関心の高まり

地方への関心の高まり

場所を問わない働き⽅の1つとして、リゾート地等で余暇を楽しみつつ仕事を⾏う「ワーケーション」が注⽬されています。

食品産業のデジタル技術活用例

今後必ず迎える労働力不足と、多様化するニーズに応えるため、食品産業においてはデジタル技術の活用が注目されています。こちらでは、食品業のデジタル技術活用事例および他産業で実施されており将来的に食品産業でも活用できるデジタル化事例を紹介します。

作業の自動化

作業の自動化

工業製品と異なり、形状や成分にばらつきのあるような農産物等については、機械化の難易度が高く、人手に頼らざるを得ない作業が多いのが現状です。
その中でも、AI やロボット技術の進展により、食材の加工や調理段階、また、皿洗いの自動化等様々な場面で先端技術の活用が期待されています。

フードテック

フードテック

世界的な人口増加に伴い、世界の食市場の拡大が見込まれるほか、資源循環型の食料供給の必要性が高まっています。
このような状況下で、環境志向や健康志向の高まり、菜食主義の広がりなど、消費者が食に求める価値の多様化を背景に、代替タンパク、機能性食品、昆虫等を利用した飼料など、様々なフードテックに取り組む事業者が登場しはじめています。

食品物流

食品物流

ネット通販など個別輸送のニーズの高まりによって、ドライバー不足など物流事情の悪化が懸念されています。比較的重量単価の低い農産物は輸送費上昇が生じた場合、特に影響を大きく受けることとなります。
他産業の事例では、物流の効率化・自動化に向けて、デジタル技術を活用して、複数の企業や異業種間での共同輸送、混載、帰り荷マッチングなどのほか、最適な輸送経路・手段を選択する取組も進みつつあります。

食品産業の労働力不足を救うシステム

全産業と比べて労働力不足が深刻な食品産業は、生産性維持のために既存業務の効率化に取り組む必要があります。業務フローの見直し、不要業務の切り分けや、システム・ツールを利用した生産性向上など検討してみてはいかがでしょうか?

内田洋行ITソリューションズでは、食品業の業務別ソリューションガイドを提供しております。どこからシステム導入を検討すればよいかわからない、といったお悩みをお持ちの方はぜひ一度ご覧ください。

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