食品ロス削減!2030年までに半減するための企業の取り組みとは

公開日:2021.6.30
更新日:2024.7.09

食品ロスを減らすために企業が出来ること

「食品ロス」とは、食べ残しや売れ残り、賞味期限が近いなどの様々な理由で、本来食べられるのに廃棄される食品をいいます。資源の有効活用および環境負荷への配慮から、食品ロスを減らすことが重要視されています。

日本の食品ロスの現状

日本の食品ロスの現状

 日本の食品廃棄物等は年間2,531万tで、そのうち食品ロスは年間600万tと推計されています。日本人1人あたりお茶碗1杯分のごはんの量が毎日捨てられている計算です。このうち事業活動を伴って発生する事業系食品ロスは324万t(54%)、さらに細分化すると図のような割合となります。

 この背景から、国は事業系食品ロスを、2030年度までに2000年度比で半減するとの目標を立てています。食品を扱うすべての企業が一丸となって、食品ロスの削減という大きな課題に取り組む必要があります。

事業系食品ロスとは?


 事業系食品ロスは、食品業界において発生するロスの一つであり、生産から流通、小売、飲食業などの各段階で発生します。
具体的には、農産物や水産物の収穫・生産段階での不良品や規格外品、流通過程での過剰在庫や輸送中の破損、小売業での陳列期限切れや顧客への販売不能などが該当します。

 このような事業系食品ロスは、食品業界内での様々なプロセスや商習慣、需要と供給の不均衡などが原因となって発生しているため、製配販の連携や消費者の理解促進などフードチェーン全体での取り組みが必要となります。

食品ロスとSDGsとの関連性

 SDGs(持続可能な開発目標)は、国連が採択した17の目標であり、2030年までに世界をより持続可能な方向に向かわせるための行動計画です。SDGsは、貧困の撲滅、地球温暖化の防止、教育の普及、ジェンダー平等、清潔な水と衛生の確保など、世界のさまざまな課題に対処することを目指しています。

 SDGsの中でも、持続可能な消費と生産パターンの促進を目指す目標12「つくる責任・つかう責任」は、食品ロスの削減と直接関連しており、『2030年までに生産やサプライチェーンなどで食料の損失を減少させる』と明記されています。

 国連のターゲットのひとつとして目標が定められていることからわかるように、食品ロスに対する社会の関心は近年高まっています。事業者に求められる役割も大きくなっており、食品ロスは食品業界全体で取り組むべき課題となっています。

事業系食品ロスの発生要因

 事業系食品ロスを生み出す要因として、食品業界の商習慣である「3分の1ルール」が根本にあります。
法律として定められているものではなく、食品メーカーや卸売業者と、食品を販売する小売店との間で決められた商習慣です。

 安全かつ新鮮な状態で食品を消費者に届けられるというメリットがありますが、流通の過程で食品ロスを増やしてしまうため緩和が求められています。

3分の1ルールとは

食品の流通において賞味期限の期間を3等分し、最初の3分の1の期間で納品(納品期限)、次の3分の1は販売(販売期限)、最後の3分の1を賞味期限として定める商習慣。

食品ロス削減に関する法律

食品リサイクル法

食品リサイクル法

 正式名称は「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」
食品の売れ残りや食べ残し、もしくは製造過程において大量に発生している食品廃棄物について、発生の抑制・減量により最終的に処分される量を減少させ、飼料や肥料として再生利用できるよう促進する法律です。食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業と業種別に目標が定められています。
 基本方針では、食品ロスの削減を含め食品廃棄物等の発生抑制が優先と位置づけられていますが、その上で発生してしまったものについては、リサイクル等を推進しています。

食品ロス削減推進法

食品ロス削減推進法

 正式名称は「食品ロスの削減の推進に関する法律」で、食品ロスの定義や基本方針、施策などが盛り込まれています。食品ロスの削減に関して、国や地方自治体などの責務を明らかにし、施策の基本事項を定めています。
 事業者に求められる行動・役割としては、事業活動で発生する食品ロスの把握や見直し、納品期限(3分の1ルール)の緩和、賞味期限の延長などがあります。食品ロス削減に向けた取り組みを行い、内容を積極的に開示することが必要です。

企業が食品ロス対策に取り組むメリット

 企業が食品ロス問題に取り組むことには多くのメリットがあります。経済的利益はもちろんのこと、社会的責任を果たし環境問題への取り組みとしてもアピールできることから、顧客からの信頼獲得、企業イメージの向上にもつながりやすいといえます。

経済的メリット

 食品ロスの削減により、原材料や商品の無駄を減らし、生産コストを抑えられます。また、食品ロスを減らすことで、在庫の効率化や廃棄物処理のコスト削減につながります。食品原材料価格が高騰する中、コストの削減と値上げ幅の緩和を図っていくためにも、期限内に食品を消費者に届け廃棄を少なくすることが求められます。

社会的メリット

 食品ロスに対する社会の関心の高まりを見ても分かるように、食品ロス削減は今や企業の社会的責任を果たす一環として位置付けられます。消費者や社会からの期待に応えることで、企業の信頼性やイメージ向上につながります。

環境への貢献

 食品ロスは資源の無駄遣いであり、廃棄物の発生源となります。企業が食品ロスを削減することで、環境への負荷を軽減し、持続可能な経営に貢献できます。

【推進される活動】フードバンク活用と再利用技術

 未使用または余剰の食品を社会福祉施設や困窮家庭に提供するシステムであるフードバンクは、食品を廃棄せず有効活用することで環境保全と社会貢献を同時に達成できます。
また、食品産業の副産物や廃棄予定の食品を畜産飼料や堆肥として再利用する技術も、近年注目を集めています。


 ある製パン会社では売れ残りのパンを回収し再加工して、高品質の動物用フードとして再販する取り組みを行っています。廃棄コストを削減できるだけでなく、新たな収益源の確保にもつながっており、循環型経済の推進に貢献しています。

食品ロスへの企業の取り組み

 食品業の中でも業態によって食品ロスの発生割合は異なっています。それぞれの業種では、具体的に下記のような取り組みで食品ロス削減に努めています。

食品製造業

需要予測の高度化や適正受注の推進
消費実態に合わせた容量の適正化
原料の無駄のない利用、製造・出荷工程の適正管理・鮮度保持
製造方法の見直しや容器包装の工夫等による賞味期限の延長
年月表示化など賞味期限表示の大括り化
食品の端材や形崩れ品の有効活用

食品卸売業

厳しい納品期限の緩和
需要予測の高度化や適正発注の推進
季節商品の予約制等需要に応じた販売の工夫
売り切りの取り組み(値引き・ポイント付与・等)
小分けや少量販売
本部と加盟店が協力したロス削減(フランチャイズ)

外食産業

天候や日取り等を考慮した仕入れ等
小盛りメニューや消費者の要望に応じた量の調節等
おいしい食べきりを呼びかける「3010運動」等の実施
残った料理の持ち帰り(消費者の自己責任が前提)

共通

食品ロスの状況と削減の必要性の理解
消費者に対する自らの取り組みの情報提供や啓発の実施
食品廃棄物等の継続的な計量
サプライチェーンでのコミュニケーションの強化

 食品の製造業では需要に基づいた生産量の調整、卸売業では納品期限緩和や値引き等用いた売れ残り防止、外食産業では食べ残しを発生させないよう提供量の調節や持ち帰り制度など、それぞれの性質に合わせて食品ロス削減の対策を講じることが可能です。

 食品ロスの発生には、直接的・間接的に様々な要因が関わっているため、ある特定の立場の者に削減の責任があるわけではありません。上記で示したように、それぞれの立場で取り組むこと、できることから着実に進めていくことが必要となります。

食品業のお役立ちツールご紹介

 上記施策中にもあるように、事業系食品ロスを削減するためには、高精度な需要予測や適正在庫管理が必要とされています。

販売管理システムや生産管理システム、在庫管理システムなどの基幹システム内のデータを分析し、食品ロス削減を実現しましょう。

廃棄を少なくするために在庫管理を見直すことで、不動・過剰在庫を減らし入出庫作業の効率化につなげることも可能です。

 本記事で紹介するスーパーカクテルCoreFOODsは、販売・生産・原価管理を統合した食品業向け基幹システムです。過去の売上データから販売・生産計画、製造指示へと業務をつなげ、売上機会の損失や在庫ロスを防止することが可能です。

食品業向け販売管理

食品業向け生産管理

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