食品業が実現するカーボンニュートラルとは?取り組みで得られる5つのメリット

食品業とカーボンニュートラルの密接な関係

2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林・森林管理などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。

食品業とカーボンニュートラルの関係

カーボンニュートラルとは

 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」を削減するとともに、森林などによる「吸収量」を差し引くことで、温室効果ガスを実質的にゼロにする取り組みです。近年、グローバルに展開している企業を中心に、脱炭素経営に向けた取り組みが急速に広がっています。

食品の生産から消費にかけて発生する温室効果ガスは全体の約4割

 カーボンニュートラルと食品業は密接な関係があります。実は、温室効果ガスの排出源のうち、8~10%が食品ロスであるというIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の調査結果が出ています。具体的には、食品ロスを焼却する際に発生する二酸化炭素や、埋め立てる際に発生するメタンガスが該当します。8~10%という数値は、自動車からの排出量とほぼ同じです。

 また、食料の生産・加工・流通・調理・消費など一連の活動を含む食料システムにおいて発生する温室効果ガスは、世界で排出される人為的な温室効果ガスの21~37%を占めるとも言われています。カーボンニュートラルを実現する上で、食品業の協力は不可欠と言えるでしょう。

脱炭素経営実施のメリット

優位性の構築(自社の競争力を強化し、売上・受注を拡大)

優位性の構築(自社の競争力を強化し、売上・受注を拡大)

環境への意識の高い企業を中心に、サプライヤーに対して排出量の削減を求める傾向が強まっています。国内企業においても、温室効果ガス排出削減目標を策定している大企業を中心に、サプライヤーに対する働きかけが同様に拡がりつつあります。温室効果ガス排出削減目標は、自らの事業活動に伴う排出だけではなく、原材料・部品調達や製品の使用段階も含めた排出量の削減も目標として示すことを求めています。

光熱費・燃料費の低減

光熱費・燃料費の低減

脱炭素経営に向けて、エネルギーを多く消費する非効率なプロセスや設備の更新を進めていく必要があります。実施に伴い、光熱費・燃料費の低減がメリットとなります。また、一般的には費用が高くなると思われがちな再エネ電力の調達についても、大きな追加負担なく実施しているケースもあります。

知名度や認知度の向上

知名度や認知度の向上

省エネに取り組み、大幅な温室効果ガス排出量削減を達成した企業や再エネ導入を先駆的に進めた企業は、メディア掲載や国・自治体からの表彰対象となることを通じて、自社の知名度・認知度を向上させることに成功しています。また、大幅な省エネ対策の実施によって光熱費を大幅に削減し、利益を出しにくい多品種少量生産の製品であっても積極的に生産・拡販できるようになり、副次効果として顧客層への浸透が期待されるケースもあります。

社員のモチベーション向上や人材獲得力の強化

社員のモチベーション向上や人材獲得力の強化

社会の課題解決に取り組む姿勢を示すことによって、社員の共感や信頼を獲得し、社員のモチベーションの向上に繋がります。また、脱炭素経営に向けた取り組みは、気候変動問題への関心の高い人材から共感・評価され、「この会社で働きたい」と意欲を持った人材を集める効果が期待されます。

新たな機会の創出に向けた資金調達において有利に働く

新たな機会の創出に向けた資金調達において有利に働く

金融機関から脱炭素化に向けた圧力が高まりつつある点について先述しましたが、融資先の選定基準に地球温暖化への取り組み状況を加味し、脱炭素経営を進める企業への融資条件を優遇する取り組みが行われております。

脱炭素経営を評価する2つの制度

J-クレジット制度

J-クレジット制度

J-クレジット制度とは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによる、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
本制度により創出されたクレジットは、国内の法制度への報告、企業の自主的な取り組みなど、様々な用途に活用できます。

カーボンフットプリント(CFP)制度

カーボンフットプリント(CFP)制度

カーボンフットプリント(CFP)とは、商品やサービスがその一生のうちに排出する温室効果ガスを二酸化炭素(CO2) 換算で算定し、商品やサービスにわかりやすく表示し、「見える化」する仕組みです。日本では一般社団法人サステナブル経営推進機構が国際規格(ISO)に準拠した「エコリーフ環境ラベルプログラム」を運営し、CFP認定を行っています。CFPの基準に合格することでエコマークやエコリーフなどのCFPマークを商品に付与することが出来ます。

カーボンニュートラル実現の鍵は食品業

 食品の生産や加工を含むサプライチェーン下において、発生する温室効果ガスは予想以上に大きな割合を占めています。環境問題へ企業として配慮することで、社会的評価を得られるメリットもあるので、自社では何が出来るのかを今一度考えてみてはいかがでしょうか。2050年の目標達成に向けて、日本企業一丸となって取り組んでいきましょう。

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