INDEX
1.IT導入補助金とは
2.IT導入補助金の概要
事業の目的
2023年度IT導入補助金の補助額と補助率
補助対象者
申請対象になるもの
3.採択されるためのポイント
4.インボイス制度対応にIT導入補助金を活用
5.自社に必要なシステムを検討し、IT導入支援事業者に相談しよう
6.申請スケジュール
7.食品業様向けのIT導入補助金補助対象のソフトウェア
IT導入補助金とは
IT導入補助金は業務の効率化や生産性の向上を目的として、販売管理ソフトや会計ソフト、文書管理ソフトなどのITツール導入に対して一部が補助される制度です。
ITツールには、パッケージソフトの費用、クラウドサービスの導入・初期費用等が含まれます。また、補助対象費目には、ITツール導入費用、コンサルティング費用、導入システムの改修費用等が含まれます。
IT導入補助金の概要
事業の目的
IT導入補助金には通常枠、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠の3つの枠が用意され、それぞれ申請対象となる補助対象経費区分や補助額が異なります。
通常枠(A類型・B類型)
通常枠(A・B類型)は、中小企業・小規模事業者等が働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度等に対応するためのITツール導入による生産性向上を目的としています。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・商流一括インボイス対応類型)
中小企業・小規模事業者等が導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。
2022年第2次補正予算の成立により、今年も通常枠では最大450万円、インボイス対応を目的としたデジタル化基盤導入枠では最大350万円が補助されます。2022年からの変更点としては通常枠では下限金額引き下げ、デジタル化基盤導入枠では下限撤廃となりました。
また、2023年は新たな類型として商流一括インボイス対応類型が追加されています。これは、取引関係における発注者が、インボイス制度対応のITツール(受発注ソフト)を導入し、当該取引関係における受注者である中小企業・小規模事業者等に対して当該ITツールを供与する場合に、その導入費用の一部を支援することで中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上及びインボイス制度への対応を促進することを目的としています。
セキュリティ対策推進枠
中小企業・小規模事業者等がサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避し、サイバー攻撃被害により供給制約や価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減させることを目的としています。
2023年度IT導入補助金の補助額と補助率
A類型 | B類型 | デジタル化基盤導入類型 | 商流一括インボイス対応類型 | セキュリティ対策 推進枠 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
補助対象 経費区分 |
ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費等 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費等、ハードウェア購入費 | クラウド利用料 (最大2年分補助) |
サービス利用料(最大2年分補助) | ||
補助上限額・ 下限額 |
5万円~150万円未満 下限を引下げ |
150万円~450万円以下 | 50万円以下 下限を撤廃 |
50万円超~350万円 | 下限なし~350万円 | 5万円~100万円 |
補助率 | 1/2以内 | 3/4以内 | 2/3以内 | 中小企業・小規模事業者等:2/3以内 その他の事業者等:1/2以内 |
1/2以内 | |
主な補助対象 | ソフトウェア (単体) |
ソフトウェア (複数機能必須) |
〇会計・受発注・決済・EC機能を持つソフトウェア (50万円超申請の場合は2機能以上必要) 〇上記システムを利用するためのPC・タブレット・レジ・券売機 |
インボイス制度に対応をした受発注の機能を有している、クラウド型ソフトウェア | 独立行政法人情報処理推進機構が「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載しているサービス |
「複数社連携IT導入類型」も引き続き実施予定となっております。
補助対象者
中小企業および小規模事業者等が対象となります。
業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) |
5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) |
3億円 | 900人 |
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
その他法人として、社会福祉法人や学校法人なども対象となります。
申請対象になるもの
基本的には事業の効率化に寄与するソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費が対象です。
デジタル化基盤導入枠では「会計ソフト」「受発注ソフト」「決済ソフト」「ECソフト」とその導入費が補助対象となり、それ以外の機能を持つソフトウェアは申請できません。
2023年から追加された商流一括インボイス対応類型ではインボイス制度に対応した受発注機能を有している、クラウド型ソフトウェアが補助対象となります。
採択されるためのポイント
IT導入補助金では申請の際に3つの審査ポイントがあります。
- 事業面の具体的な審査
- 計画目標値の審査
- 加点項目に係る取組の審査
自社の課題やニーズを分析し、それらを解決するために適切なITツールを選定していることを明確にする必要があります。
また、事務局からは提出資料の不備などによって不採択になっているという情報が公表されています。不備がなければ採択されていたものが書類不備で不採択になってしまうのはもったいないので、提出書類については間違いのないように注意したいところです。
1.事業面の具体的な審査とは
この項目では主に下記の3点の内容について審査されます。
- 自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか
- 自社の状況や課題分析及び将来計画に対し、改善すべきプロセスが導入するITツールの機能により期待される導入効果とマッチしているか
- 内部プロセスの高度化、効率化及びデータ連携による社内横断的なデータ共有、分析等を取り入れ、継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるか
要約すると、自社の課題を分析した結果を基に適切なITツールが選択されているかということになります。
きちんと自社の課題を分析することが重要です。
2.計画目標値の審査 とは
この項目では労働生産性の向上率について審査されます。
労働生産性は従業員1人あたり1時間にどれだけ成果を出しているかという指標です。
IT導入補助金の申請要件に「労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上及びこれらと同等以上の、数値目標を作成すること」とありますので、この要件を満たす目標値を設定する必要があります。
3.加点項目に係る取組の審査とは
この項目では地域貢献や働き方改革の推進、クラウド化やインボイス制度といった国が推進している事業に関連する取組が加点対象となり、採択率の向上が期待できます。
- 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認取得
- 地域未来牽引企業に選定され、地域未来牽引企業としての「目標」を経産省に提出している
- 導入するITツールにクラウド製品やインボイス制度対応製品を選定していることや、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定している
- 働き方改革に関連する認証を取得している
インボイス制度対応にIT導入補助金を活用
2023年10月にインボイス制度が導入されますが、多くの中小企業にとって対応するための負担が大きくなっています。
インボイス制度に対応するためのITツール導入もデジタル化基盤導入枠での申請対象となります。
最大350万円が補助されますので、活用を検討されてはいかがでしょうか。
自社に必要なシステムを検討し、IT導入支援事業者に相談しよう
自社の課題やニーズを分析し、導入したいITツールの機能がわかったとしても自社だけではIT導入補助金は申請できません。
申請にはIT導入支援事業者との共同申請が必要になります。
IT導入支援事業者は具体的にどんなITツールを導入すれば良いのか、申請枠はどれを選択すればいいのかといった相談から、ITツールの導入支援、IT導入補助金の申請サポートまで幅広く支援をしてくれる心強い味方です。
申請サポートの経験が豊富なIT支援事業者であれば、それまでのノウハウによって不採択になる要因をできるだけ除いて申請する手助けをしてくれるはずです。
申請スケジュール
申請スケジュールは随時更新されています。IT導入補助金の最新情報と併せて公式サイトをご覧ください。
IT導入補助金公式サイト
食品業様向けのIT導入補助金補助対象のソフトウェア
食品業においては、品質管理や生産管理など、業界特有の業務が多数あります。こうした業務へのITツール導入においてもIT導入補助金の活用が可能です。
ここでは食品業のお客様に内田洋行ITソリューションズで導入支援ができるITツールの一部をご紹介します。
自社の課題やニーズは明確になってきたものの、何を導入したら良いかわからない、どの申請枠を利用したら良いのかわからないといった場合もお話を伺いながらご提案いたします。
お気軽にご相談ください。
■通常枠
- HACCP文書作成ツール「HACCPクリエータ」
- 食品品質情報管理システム「食Quality」
- 食品品質検査システム「食INSPECTOR」
- 食品法規・食品表示管理システム「食品大目付 そうけんくん」
- 電帳法対応文書管理システム「UC+(ユクタス)ドキュメント」
- 電子請求書発行システム「楽楽明細」
- 電子帳票・帳票電子化ツール「XC-Gate.ENT」
- 文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」
- 帳票データ化ソフト「AnyFormOCR」
- 業務自動化RPAツール「Autoジョブ名人」
- メール操作自動化ツール「Autoメール名人」
- EDIシステム「EOS名人.NET」
- 指定伝票発行システム「伝発名人.NET」
- 送り状発行システム「送り状名人」
- クラウド型勤怠管理システム「Touch On Time」
■デジタル化基盤導入枠
- 食品業向けERPシステム「スーパーカクテルCore FOODs」
- 貿易業システム「VPort」
- 食肉卸・加工業販売管理システム「Usolia食肉加工販売業システム(THE・食肉!)」
- 水産加工業向け製造販売在庫管理システム「ますのすけ」
- 経費精算システム「楽楽精算」
- 通販向け顧客・販売管理システム「通販BEST」
■セキュリティ対策推進枠
2023 IT導入補助金まるわかりハンドブック
毎年好評頂いております申請のポイントをまとめた冊子を、今年もご用意しております。
無料でダウンロードいただけますので、ぜひ貴社の課題解決にお役立てください!
よくある質問
- Q IT導入支援事業者とは何ですか?
- A 「IT導入支援事業者」はIT導入補助事業を申請者と一緒に実施する共同事業者(パートナー)です。
申請者の生産性向上のため、ITツールの提案や導入、事業計画策定の支援をはじめとした各種申請手続きのサポートをします。 - Q 申請は単独で行えますか?
- A IT導入補助金の申請は登録されたITベンダー(IT導入支援事業者)との共同申請が必要です。
- Q IT導入補助金はいつ入金されますか?
- A 交付決定通知後、IT導入支援事業者にITツールの契約・納品・支払を完了し、事業実績報告の審査が完了すると補助金額が確定し、およそ1ヶ月後に入金されます。
交付決定通知が届く前にITツールの導入等を進めてしまうと、補助金が交付されなくなってしまいますので注意が必要です。