INDEX
1.Web-EDIとは?
2.Web-EDIの特長
3.Web-EDI導入メリット・デメリット
4.Web-EDI導入時の注意点
5.EDIの仕組みと特徴
6.EDIの転換期 2024年問題とは?
7.食品業界とEDI 業務標準化と効率化進展
8.【まとめ】Web-EDIの導入は既存システムとの連携性について検討を
9.よくある質問
Web-EDIとは?
Web-EDI(Electronic Data Interchange)とは、インターネットを通じて企業間で電子的な商取引を行う仕組みです。従来のFAXや郵送による取引では、書類作成や送付といった人為的な作業が発生し、業務効率の低下を招いていました。Web-EDIは、Webブラウザなどのデジタル技術を活用し、インターネット上で受発注などの業務を効率化することを可能にします。これにより、ペーパーレス化やコスト削減も推進できます。
EDIとWeb-EDIの違い
EDIは1970年代に登場し、一般の電話回線であるISDNなどを通じてデータ交換を行う「レガシーEDI」として普及しました。この方式は通信速度やコスト、専用ソフトウェアのインストールやアップデートに手間がかかる点が課題でした。一方、Web-EDIはインターネット回線を利用し、Webブラウザを介してデータのやり取りを行うため、専用ソフトウェアが不要です。
これにより、導入や運用が容易になり、低コストで手軽に利用できるデータ交換システムとして普及が進んでいます。また、NTT東西の固定電話網IP化に伴う「2024年問題」により、レガシーEDIからの移行が進んでいます。
Web-EDIの特長
EDIは1970年代に登場し、一般の電話回線であるISDNなどを通じてデータ交換を行う「レガシーEDI」として普及しました。この方式は通信速度やコスト、専用ソフトウェアのインストールやアップデートに手間がかかる点が課題でした。一方、Web-EDIはインターネット回線を利用し、Webブラウザを介してデータのやり取りを行うため、専用ソフトウェアが不要です。
これにより、導入や運用が容易になり、低コストで手軽に利用できるデータ交換システムとして普及が進んでいます。また、NTT東西の固定電話網IP化に伴う「2024年問題」により、レガシーEDIからの移行が進んでいます。
インターネット回線を利用しブラウザ操作で簡潔
Web-EDIの大きな特長として、インターネット回線を利用することで企業間の商取引を効率化できる点が挙げられます。
従来のEDIが一般電話回線を使っていたのに対し、Web-EDIではインターネット回線を使用するため、大容量のデータもスムーズに処理可能です。これにより、受発注業務の迅速化が実現します。
また、Web-EDIは、パソコンのブラウザからシステムにアクセスすることで、アナログな受発注と比較してコストを抑えることが可能です。効率化が進むことで、受発注業務の負担が軽減され、人員の最適化や残業時間の削減にもつながります。
表1 EDI/Web-EDIの比較
| EDI | Web-EDI | |
|---|---|---|
| 接続方式 | 専用回線やVAN(Value-Added Network)を使用 | インターネットを使用 |
| アクセス方式 | 専用ソフトウェアやシステムを必要とする | Webブラウザでアクセス可能 |
| コスト | 専用回線やソフトウェア導入が高コスト | 比較的低コストで導入可能 |
| 運用環境 | 特定のハードウェア・ソフトウェアが必要 | 特別な環境を必要としない |
| 通信速度 | 安定かつ高速 | インターネット環境に依存 |
Web-EDI導入メリット・デメリット
低コストや導入のハードルが低いといった利点が注目される一方で、運用面での課題は無視できません。企業がWeb-EDIを導入する際には、メリット・デメリットを把握し、実際の運用を想定しながら総合的に検討した上での判断が必要です。
Web-EDIのメリット
Web-EDIのメリットとして下記が挙げられます。

請求書のペーパーレス化が可能
Web-EDIは、企業間の商取引に必要なビジネス文書のやり取りを電子化できるため、請求書などのペーパーレス化を可能にします。これまでFAXを使った紙ベースでのやり取りが主だった受発注業務において、Web-EDIを活用することで書類紛失のリスクを低減し、FAXや紙媒体にかかる経費も削減できます。さらに、請求書を郵送している企業の場合は、郵送費の削減にもつながります。ペーパーレス化により、これまで必要だった文書保管スペースも確保する必要がなくなります。
比較的低コストで導入可能
Web-EDIは、インターネット環境と一般的なパソコンがあれば利用できるため、従来のEDIと比較して大幅に導入コストを抑えられます。専用回線や高価なハードウェアを導入する必要がありません。多くのWeb-EDIサービスはクラウド型で提供されており、自社でサーバーを構築したり保守したりする費用も不要です。そのため、初期投資だけでなく運用コストも軽減され、特にIT予算に制約のある中小企業でも手軽に導入しやすいのが特長です。また、従量課金制や柔軟な料金プランを提供するサービスも多く、企業の規模や業務量に合わせて最適な選択ができます。
容易に導入が可能
Web-EDIは、その導入の容易さでも注目されています。専用ソフトウェアのインストールや特別なITスキルを必要とせず、標準的なウェブブラウザがあれば利用できるケースがほとんどです。複雑なシステム構築や長期間の準備が不要なため、短期間で稼働を開始できます。
手軽に導入できる点は、Web-EDIが幅広い業種で利用される理由の一つです。
受発注などの取引業務の効率化
Web-EDIを導入することで、取引業務全体の効率化が期待できます。手動で行っていた発注書や請求書の作成、データの入力作業を電子化することで、取引先とのコミュニケーションがスムーズになります。書類の郵送や手渡しが不要になれば、オフィスのペーパーレス化、コスト削減にもつながります。
一部のサービスでは、業務フローの自動化や分析ツールの提供も行われており、活用することでさらなる効率化が実現できます。企業は取引業務にかかる負担を軽減し、リソースを他の業務に充てることができるようになります。
業務効率アップとコスト削減
Web-EDIを導入することで、受発注業務の自動化や効率化が進み、企業はさまざまなコスト削減効果を期待できます。特に、見積書や発注書、請求書といった取引書類のペーパーレス化が実現するため、FAX代や紙代、書類の保管費用を削減することが可能です。これらの書類を保管するための費用や手間は無視できないため、Web-EDIの導入は企業にとって大きなメリットとなるでしょう。さらに、電子帳簿保存法改正への対応という観点からも、Web-EDIは有効な手段です。業務効率が向上することで、受発注業務にかかる人的リソースも削減でき、結果的に人件費の抑制にもつながります。
Web-EDI導入時の注意点
ネットワークセキュリティの考慮が必要
Web-EDIはインターネットを介して取引を行うため、ネットワークセキュリティへの配慮が重要です。最低限のセキュリティを確保するため、HTTPS通信によるデータ暗号化は必須です。また、パスワードの複雑性や定期的な変更、アクセス権限の適切な設定など、強固なセキュリティポリシーを策定し、運用することも求められます。導入前には第三者機関による脆弱性診断を実施し、利用するPCのOSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことで、リスクを低減できます。
インターネット環境が必要
Web-EDIはインターネット回線が必須となるため、インターネット環境がなければ利用できません。特に製造業の工場や建屋などでは、インターネット環境が限定されている場合があるため、Web-EDIの導入前に、自社の運用環境に適しているかを確認することが重要です。事前にインターネット環境の有無や安定性を把握し、問題なく運用できるかを確認することをおすすめします。
自社システムとの連携性を考慮する
Web-EDIの導入を検討する際は、自社の基幹システムとの連携性が重要です。システム連携がスムーズに行えない場合、手動でのデータ入力が必要となり、入力ミスや情報漏れといった問題が発生する可能性があります。導入による業務効率化を目指すのであれば、既存システムとのデータ自動取り込み機能の有無を確認することが大切です。これにより、Web-EDI導入が業務の煩雑化を招く事態を防ぎ、スムーズな運用を実現できます。
取引先の同意確認が必要
Web-EDIを導入する際には、取引先の同意が欠かせません。Web-EDIは自社だけでなく、取引先も利用することで最大の効果を発揮するため、導入には協力体制が不可欠です。導入コストも発生するため、一方的に進めるのではなく、事前に話し合いの場を設けて合意形成を図ることが大切です。
また、取引先が既にWeb-EDIを利用している場合でも、システムの仕様確認は必須です。Web-EDIには標準的な仕様が存在しないため、企業間で異なる仕様のシステムを使用していると、データ連携がスムーズに行えない可能性があります。通信プロトコルをはじめとする技術的な仕様を事前に確認し、円滑な電子取引の実現に向けた調整を行う必要があります。
取引先や物流事業者など関係者全員の同意を得ることは重要ですが、相手企業の規模によっては導入に難色を示すケースもあります。その際は、部分的に紙の書類に対応するなど、柔軟な運用を検討することも必要です。
Web-EDIの仕組みと特徴
Web-EDI は、企業間での電子データ交換を実現するための仕組みで、その運用は主にインターネットを利用します。一般的には、受発注や請求書の発行、納品書の確認などの業務がWeb-EDI を介して行われます。
Web-EDIには「ブラウザ型」と「ファイル転送型」の2種類があり、取引情報の種類や取引企業、企業のバックエンドシステムとの連携性に応じて選択します。
ブラウザ型
Webブラウザ上に伝票イメージを表示し操作を行う仕組みで、表示画面から注文内容の確認や発注情報の入力を行います。
ファイル転送型
サーバーを介しデータをファイル形式でやり取りする仕組みで、発注側は注文書ファイルをサーバーにアップロード、受注型がダウンロードするという流れで取引します。
EDIの転換期 2024年問題とは?
ISDNサービスの終了
2017年4月にNTT東日本/西日本は、INSネットデジタル通信モードのサービスを終了すると発表しました。これはISDN回線を使ったサービスが利用できなくなることを意味します。
移行は2024年1月から順次開始し、2025年1月に完全移行する予定とされており、ISDNを基盤に社内のネットワークや取引先との通信を行う企業は、取引の際に使用する通信手段を切り替える必要があります。
即座に使用できなくなるわけではありませんが、Web-EDIあるいはインターネットEDIへ切り替えるなどの対処が求められます。
【ISDN回線とは】
電話線を使用したデジタル回線のインターネット通信技術です。従来のインターネット接続方法であったアナログ回線をISDN回線でデジタル化し、より高速なインターネット通信を可能にしました。

食品業界とEDI 業務標準化と効率化進展
食品業界のサプライチェーン・マネジメントへの取り組みにおいて、EDIによる情報管理は欠かせません。食品業界でのEDIの歴史を振り返ると、1975年に農林水産省の事業として商品の標準化が進められ、JANコードや標準通信プロトコルの制定が行われたところから始まります。
JANコードをベースとし商品情報の標準化が行われたことで、食品業界のEDIは急速に推進し、物流費の削減、受発注の集約、ペーパーレス化といったような業界課題のニーズに対して「EDI」はベストなソリューションとなりました。
食品業界でのWeb-EDI/EDI活用で注目される点は以下の通りです。

業務の標準化
業界全体での業務標準化が注目されています。業界独自のVAN(Value Added Network)の利用が普及し、これにより取引先間でのデータ連携がよりスムーズに進むようになりました。データ交換が一元化されれば、食材の供給チェーン管理が強化され、トレーサビリティの向上にもつながります。
食品業界では安全性や信頼性が重視されるため、こうした仕組みによって製品情報や流通過程が正確に追跡可能になるのは非常に大きな利点です。
バーコードやRFID(無線自動認識)をEDIシステムに組み込み、在庫管理やロジスティクス業務を効率化するといった事例もあります。EDIは単に効率化を図るツールとしてだけでなく、食品業界全体の事業基盤の強化や持続可能な経営を支える要素として重要な役割を果たしていると言えます。

受発注プロセスの自動化
受発注の効率化は、食品業界における重要な課題の一つですが、EDIとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を連携し、受発注業務の部分的な自動化を進める企業が増えています。取引先が多い場合、Web-EDIの取引はかえって負担が大きくなる可能性がありますが、RPAを活用してダウンロード作業を自動化すれば、少ない負担でデータのやり取りを実現することができます。
多くの業界で人手不足が深刻化する中、食品業界でも労働力の確保が困難になっています。従業員の業務負担を軽減し、効率的に業務を遂行するための取り組みが必要とされています。
【まとめ】Web-EDI/EDIとは?業務効率化を推進
ここまで、Web-EDIについて、EDIとの違いからメリット・デメリット、また食品業での活用について解説しました。
導入のハードルが低く低コストで抑えられるWeb-EDIの登場により、多くの企業がEDIを導入しやすい環境が整いつつあります。前項でも述べたように近年では、効率化をさらに進めるためRPAとの連携が注目されており、EDIを補完する形として導入が進んでいます。
食品業界においても、業界全体でのDX推進が求められており、こういった技術を取り入れた業務プロセスの効率化は、今後ますます重要な取り組みとなるでしょう。
よくある質問
- Q.Web-EDIとは具体的に何ですか?
- A.Web-EDIは、インターネットを利用してデータのやり取りを行う電子データ交換(EDI)の一形態です。従来のEDIが特定のネットワークや専用回線を使用していたのに対し、Web-EDIはブラウザベースでアクセスできるため、導入や運用が容易です。
- Q.Web-EDIの主な利点は何ですか?
- A.主な利点には、コスト削減や運用の効率化があります。企業は専用の通信回線を維持する必要がなく、インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、業務の柔軟性が向上します。
- Q.導入に際しての注意点はありますか?
- A.Web-EDIの導入には取引先との仕様調整が必要な場合があります。各企業で使用するフォーマットやプロトコルが異なるため、事前に十分なコミュニケーションが求められます。
【参考】
・国土交通省「我が国加工食品分野におけるEDIの歴史」
